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流れの正体 ライアン・モリス完結編

※過去に近代麻雀で連載されていた企画の再録です

【お寺に駆け込むデジタルギャンブラー】

 日本に帰ってからずっと時差ボケが酷かった。21時ぐらいになると激しく眠くなって、これは早寝早起きのチャンス! とばかりに布団に入るのだが、1時ごろに眼が覚める。そしてまた日の出前ぐらいに眠くなり、朝の9時ごろ起きる。
 まぁこれはこれで早起きでもないけど普通かなと思って生活していると、15時ぐらいに睡魔が襲ってきてネットカフェで仮眠したりするのである。
 たぶん、ただの時差だけではなく、パリは21時ぐらいまで日が沈まないから、ちょっと体内時計がおかしくなってしまったのだろう。とにかく疲れた。

 アメリカ人の翻訳家でずっと東京に在住しているライアン・モリスにアンケートの結果をラインで報告した。
 彼は時差ボケというよりは、本業をこなしながらポーカーのプロとしてプレーもするので規則正しい生活とは縁遠い。
 草木も眠る丑三つ時にラインでライアンとやりとりする。
 ライアン、ライアン、変やねん。中国人が4人ともデジタルやってん。なんでやねん。
 実は渡仏前、ライアンと本郷三丁目で焼肉を食べた時、こんなことを言われていた。
「これはあくまでも一般論やけど、白人は運命論を信じへん。東洋人の方が信じる人が多い。そやから麻雀でも、白人には流れ論は流行らへんと思う」
 それは宗教観や歴史が関係しているのだろうか?

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