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最高位戦最終節 村上淳のリーチの是非

【人生を左右するリーチ】

 今年の最高位決定戦に進出する3名を決める戦いが終わった。
 村上淳プロ、石井一馬プロ、坂井秀隆プロの3名が、現最高位の竹内元太プロに挑戦する。
 惜しくも4位に終わって決定戦進出を逃したのは近藤誠一プロだった。
 近藤は今期を最後に最高位戦のリーグ戦を「引退するかも」と言っていた。体調不良を理由に「Mリーグ」を退き、続けて「最高位戦も」という話だったので、ファンの皆さんはかなり心配していたと思う。
 その近藤が決定戦に残れるかもしれないという最終戦のオーラス。
 画像の状況で、村上はリーチを掛けた。

 テロップの右下の「+141.0」というのが、この時点での近藤のポイントだ。
 近藤と決定戦最後の椅子を争っている坂井は「+126.8」で、村上のポイント「+409.7」で当確。
 近藤と坂井のポイント差は14.2、つまり14,200点と大きい。アガリ点だけで考えると倍満が必要なように思えるかもしれないが、順位点があるので実際は違う。

坂井秀隆

 坂井は3着で、村上をマクれば2着になって順位点が20,000点増える。だから実質的な点差は3,300点で、リーチ棒が出ているので2,300点で良い。
 ただしこれはリーグ戦なので、この卓だけで決定戦争いをしているわけではない。別卓があるから確定はしないのだが、坂井にとって当面の敵は近藤だ。まず近藤を上回らなければ話にならない。

最終戦前のポイント状況。同時進行で行われる別卓での牧野の状況は打ってる選手には分からない。

 だから坂井はできればアガってトップになりたいのだが、実は村上が近藤をマクることによる「勝ちルート」も存在していた。
 村上がアガり、近藤がトップから2着に転落したら、順位点だけで20,000点を失うから、坂井の方が上になる。
 それで別卓の牧野伸彦プロより上に行けるのかは「坂井にとっては不明」なのだが、実際にはそれで良かった。

近藤誠一

 近藤も、現状リードをしてはいるが、対処は難しい。
 オリ切って流局すればトップは死守できるが、別卓の動向が分からない以上、簡単にノーテンにはできない。確実なのは、目の前にいる坂井との勝負ではあるが、それだけで勝ち残れるか微妙だ。

村上のリーチ手牌(147ソウ待ち)

 ここで村上に手が入っていなくて、坂井と近藤の一騎打ちになれば、坂井のファンも近藤のファンも文句はなかっただろう。
 だが、最初にテンパイしたのが村上で、待ちは3メンチャンとめっちゃ良い。しかも役がついているからヤミテンでも良い。
 こういう条件が揃った中で村上がリーチを掛けたから、一部のファンから「あれはどうなの」という声が上がったのだろう。
 ヤミテンなら、近藤からの直撃かツモアガリ以外は近藤の勝ち残りだったが、リーチをしたことで、どういうアガり方をしても村上がトップになるので、坂井の勝ち残りとなった。ただし、坂井が放銃した場合、裏ドラがのったら坂井の方が近藤よりも下になるから、この場合は近藤の勝ち上がりだ。
 視聴者は別卓の結果(牧野4着)を知っているから、それが分かっている状態で見ていた。

【これでいいのか?】

 で、村上のこのリーチは是か非か。

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