若手プロに知ってもらいたいこと 新興団体の運営が難しい理由
【自分ならこうするのに】
何度か記事にもしましたが、最初に「最高位戦」というタイトル戦から初のプロ団体「日本プロ麻雀連盟」が発足し、その後「最高位戦」が参加選手によってプロ団体化したのがプロ団体史の始まりです。
その後、最高位戦を井出洋介プロが辞めて「麻将連合」を設立。さらに土井泰昭プロも最高位戦を辞めて「日本プロ麻雀協会」を設立しました。
プロ連盟からは「日本麻雀機構」というアマチュア団体を設立するために数名が辞め、機構が休止状態になった後、多井隆晴プロがRMUを設立しました。
この5団体が集まって「5団体会議」というものを作っています。
この5つ以外にも麻雀団体はたくさんあります。プロ団体が生まれる前から競技団体はいくつもあり、その多くは今も活動を続けています。
最近になってからも、アマ団体やプロ団体は時々誕生しているようです。
私もSNSなどで麻雀団体が発足したのを知り、その後どうなっていくのか興味をもって見守ってはいますが、苦戦することの方が多いようです。
それはなぜなのでしょうか?
答えは簡単で、組織の運営というのは意外と難しいからです。
そんなの当たり前じゃん。
そういった声が聞こえてきそうですが、誰しもが何かを見て「こうすればいいのに」という感想を持ったことがあるはずです。
プロ野球チームの采配、政府の方針、テレビ番組の作り方。何か1つぐらいは「なぜこうしないのか。自分ならこうするのに」と思ったことはないでしょうか。
もちろん「自分ならこうするのに」と思ったからといって、実際に事を起こす人はほとんどいないでしょう。自分がプロ野球の監督になることも、政治家になることも、テレビのプロデューサーになることも、かなり難しいからです。
そして、実際に「なれる」となったとしても、賢明な人のほとんどが「いや、やっぱり無理かな」と思うでしょう。でも、少なくとも気楽にテレビを見ていた瞬間だけは「自分ならこうするのに」と思ってしまっているはずなのです。
その「自分なら」をそのまま麻雀プロ団体の運営に持ち込むから、苦戦するのだと思います。
「現状の麻雀界は問題だらけだ。組織運営をしている人たちのやり方が間違っている。自分ならこうやってこうやって、こんなことまでできる」
そう思いたったら、すぐに作れてしまうのが麻雀団体です。
極端な話、1人でスタートしたって良いわけです。「プロ団体だ」と名乗れば作れてしまうわけですから。
ただ、真面目にやろうとするほど、色々な壁にぶつかってしまうんですよね。
【いいとこどりはできない】
たとえば、既存のプロ団体には「規制」が多すぎて窮屈だという意見があったとしましょう。いま話題のAさんという人とコラボしたいのに、団体からは「やめてください」と言われてしまう。そういう窮屈なのが嫌だから、自由奔放な新しいスタイルの団体を作ろうと考えたとしましょう。
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