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流れの正体 小倉孝プロ編のプロローグ

【マカオで戦うデジタル派】

ここまで流れ論者2名(荒正義プロと作家の白川道さん)、デジタル派1名(小林剛プロ)からお話を聞いた。
 順番としては、今回はデジタル派なので、小倉孝プロから話をうかがうつもりだった。
 前々回、白川さんが「ギャンブルじゃない麻雀をやってるからデジタルとか言ってられる」という趣旨のことをおっしゃったので、それに対して反論してもらいたかったからである。
 小倉プロはデジタル派の雀士として実績を残しているが、本業はポーカープレーヤーだ。こういう言い方は失礼かもしれない。もしかしたら、彼は「俺は麻雀プロだ」という矜持を持っているのかもしれないが、少なくとも生活の基盤はポーカーにある。
 もちろん、日本国内では政府が管轄する公営ギャンブルを除き、賭け事はすべて非合法だ。だから小倉プロはマカオなど海外のカジノで勝負する。いま世界的に流行っているテキサスホールデムというポーカー一本に絞り、それでメシを食っているのだ。
 だから彼は麻雀プロにしてポーカーのプロで、しかもデジタル派なのである。白川さんの論への反対意見をうかがうのにうってつけの人材だと思ったが、取材を申し込んだら4月いっぱいはマカオにいるとのこと。
 スカイプなどで話しても良かったが、彼とはほとんど面識がなく、気持ちを斟酌するのも難しいので、やはり会って話をしたかった。
 景気の良い頃ならこれにかこつけて私も取材費でマカオに飛ぶところだったが、そんな贅沢が許されるわけがない。大人しく小倉プロの帰国を待ち、次号でお話を聞くことにする。

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