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人はなぜ違う考えの人を攻撃するのか


【他国を侵略するモチベと同様】

 子供の頃、歴史の授業で「古代に戦争が起きた理由」を習った。主に宗教の違いが理由だと言われて納得がいかなかった。
 近代史とか現代史になると、政治思想の違いによる対立についても言われたが、これもまた納得できなかった。
 そんな理由で人と人が対立するということが想像できなかったのである。
 たとえば隣の家族が変わった政治思想を持っていたとして、それが生理的に「気持ち悪い」と思ったり「その思想が広まったら良くない」と論理的に判断できたとしても、その家族を攻撃しようとは思わない。
 そんなことよりも騒音とか悪臭とか、実害がある方が嫌だ。思想はただの概念であり、その人の脳の中にあるもので害はない。
 仮に、その人が自分の家の壁に特殊な政治思想について書いたものを掲示していたとしても、まったく実害はない。
 見て気分が悪くなるなら、見なければ良いだけだ。
 だから以前の私は、人が争う原因は「金」や「飢え」しかないと決めつけていた。もちろん、戦争の原因はもっと複雑なのだが、一般の国民たちの間に「戦うぞ」という気運が高まるきっかけとして「思想」などよりも「腹減った」とか「金よこせ」という「物欲」の方が大きいと思っていたのである。
 ただ、それだと強盗と同じで格好が悪いから「思想」という、やや高尚ぽいものを大義名分にしていたのかなと。そう考えていた。

 だが、SNSを始めて、それが大間違いだったことに気づいた。

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