ケネス徳田伝説 白いズボンに真っ赤なシミ
【なんじゃこりゃー!】
まだバビロンの社員が5人ぐらい残っていたので、たぶん22時とかそれぐらいの時間だったと思う。
徳田が突然「なんじゃこりゃー!」と叫んだ。
かなりの大声だった。もちろん、全員が徳田を注視した。
その日、徳田は白いジーパンを履いていたのだが、右の太もものところが真っ赤になっている。
馬場裕一さんが心配そうに「どうしたんだよ」と言うと、徳田は右手に持った赤いボールペンに気づき「ああ、これかあ」と言って急に興味を失い、ペンを机に置いてパソコンでの仕事を再開した。
いやいや。一人で納得してないで、何なのか教えてよ。
私が言うと、徳田は面倒くさそうに「ちょっと考え事をしていて、それで無意識に右手を動かしていたら、赤ペン握ってたんで、それでここがよごれたの!」と言った。
つまり、徳田の赤ペンの先が、白いジーパンの太もものところを何十回も往復していたわけである。それで真っ赤っかになってしまったのだ。
徳田は手のひらに唾を吐いて、それで真っ赤な部分をこすった。「にじんで余計に汚くなった」と言ってその方法を諦め、また仕事を始めた。
バビロンのみんなは笑っていたが、徳田は我関せずという感じで仕事に没頭していた。
私が驚いたのは翌日だ。事務所に現れた徳田のズボンは、白いジーパンで右の太ももに真っ赤なシミがあった。
【虫食いのアロハ】
徳田が着るものに無頓着なのはだいぶ前から分かってはいたが、さすがに赤ボールペンでこすりまくった白いジーパンを改めて履いてくる神経は凄いと思った。
その件からしばらく経って、事務所で徳田と何かの打ち合わせをしている時に、アロハを着ているはずの徳田の乳首がチラチラ見えることに気づいた。
ボタンが外れているわけでもない。
あれ? なんでや? お前、乳首見えてるで。きもいからやめてくれへん?
私が指摘すると、徳田は「キャキャキャキャ!」と喜んで「そんなわけないでしょ、シャツ着てるのに!」と言う。
だが、なぜだか分からないが、本当に見えているのだ。徳田の乳首が。
私が目を凝らして見てみると、原因が分かった。
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