最高位戦は「ガチ競技化」できるか
【競技風から本当の競技へ】
昔101競技連盟にいて、今は最高位戦日本プロ麻雀協会の選手である、三ヶ島幸助プロの発言が物議をかもしている、というのを以下のYouTube動画で知った。
要約すると「ルールが厳しすぎる」ということと、そのせいで「選手が慎重になって対局時間が長すぎる」し、また「ペナルティに気を取られて麻雀に集中できない」というような主張だった。
細かく言うと長くなりすぎるので割愛するが、最も選手が慎重になるのは、先ヅモの規定だ。上家が捨て牌を完了し、一拍おいてからツモ動作に入らなければならず、少しでも動くとペナルティの対象になるという。
インタビュー時の三ヶ島さんの言い方がかなり悪かったようで、別次元で問題になっているようだが、それは団体内で処理されるであろうことなので、私は言及しない。
私がこの話題に飛びついたのは、以前からテーマにしている「競技麻雀」の話だからである。
間違いなく、今回の新ルールで最高位戦がやろうとしているのは「競技麻雀化への挑戦」である。
私が以前から主張している通り、現在、さまざまなところで行われている「競技麻雀」は「ガチ競技」ではなく「競技風」なのだ。
今、私たちがやっている「競技(風)麻雀」は他の競技と比べて、規定が圧倒的に緩い。
たとえば見せてはならない牌を見せてもペナルティはない。
最近は3枚こぼしたらイエローカードなどの措置が取られるが、これでも大甘である。
見えない牌をツモって考えて、要らない牌を切るゲームなのに、誰かのせいで予め牌が分かってしまうというのは非常に不公平だ。ゲーム性をぶち壊しているとも言える。場合によっては、一人にだけ見えて、そのまま続行ということもある。
「これじゃ競技じゃないでしょ」というのが最高位戦の考えで、そこをちゃんとしようというのが新ルールなのである。
結果的に生まれた新ルールは、かなりちゃんとしていると私は思う。すでにある「競技(風)麻雀」と比較すると、かなり「ガチ競技」になっている。
このこと自体はまったく間違いじゃなくて、むしろ正しい。本気で「競技化」したいのであれば、こういう方向に進んでいくしかないと私は思う。
ちゃんと競技化すれば、他の競技と同じように若者が有利になる。麻雀の内容を良くしようと考える前に、まずはちゃんとルールを守ろうという意識が強くなる。
そうなると、練習をたくさんして打ちなれている人が有利になる。本当にスポーツのようになっていく。初心者がプロに勝つ確率も下がるだろう。その内、時間制限なども導入されるだろうから、熟練度が高い人が勝ちやすくなる。
それは良く分かる。正しいとしか言いようがない。
でも私は、最高位戦が生み出そうとしている「ガチ競技麻雀」には大反対なのである。
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