初心者歓迎の看板論争について
【ほぼ言いがかり】
ノーレート麻雀店とリーチ麻雀店(フリー雀荘)のオーナー同士が「X」で口論しているような状態になっている。
厳密に言うと直接語り合っているわけではなく、個別に「独り言」を発しているだけなのだが、両者の発言を拾ってみると、お互いを意識しているようにしか見えない。
話がこじれすぎている上に、直接的なやりとりがあるわけではないから、何の話がどうなって喧嘩のように発展したのか調べるのは難しい。
別に今回はどちらが正しいという話をしたいのではないため、そこは掘り下げないようにする。
ただ、背景として知っておいていただきたいからこの状況を持ち出したのだが、要するにノーレート店オーナーが
「雀荘の看板に『初心者歓迎』って書いてあっても、実際に入ってみたら違うことが多いが、うちは本当に歓迎します」
という内容のポストをしたことによって火が付いたらしい。もともと、この話題の前からくすぶっていた火種に油がそそがれて、火力が強まったのだ。
実は、このオーナーは前から同じようなことを言っている。というか、この「初心者歓迎看板あるある」は昔から、多くの人によって揶揄され続けてはいる。だからまあ「普通の話」ではあるのだ。
SNSなどなかった30年前から、街中を歩いていて「初心者歓迎」と書かれた雀荘の看板を見ては「これホンマに初心者が入っていったらエラいことなるで」とか「これって『フリー初心者』っていう意味であって、本当の麻雀初心者は入っちゃダメなんだよ」とか、言うことが多かった。
実際に私が働いていた店でも、看板を鵜呑みにしてやってきたガチ初心者さんはお断りしていた。「ごめんなさいお客さん、もうちょっと慣れてから来てくださいね」と、アルバイト時代に言ったことが何回かある。
じゃあ何でそんなことを看板に書くかというと、フリー雀荘に行ったことない人は、自分が初心者かどうか分からなくて不安だからだ。実はフリーで打てる能力があるのに、自分を初心者だと思い込んでいる人もいるから、そうやって書いてある。商売なんだから、とりあえず間口は広げておいて、店の中までは入らせて、ダメだったらお断りすればいい。とりあえず毎回5秒以内ぐらいで打てれば参加させるが、それができないなら皆がイライラしちゃうからお帰りいただく。そういう風にするのが普通の麻雀屋さんなのだ。
これに対して「そんなに初心者に厳しい店ばかりではないだろう」などのポストが散見された。
また「初心者を甘やかさない方が良い」とか「きれいごと言い過ぎ」みたいな意見もあった。
こういった状態の中でフリー雀荘オーナーも、複数のポストで、個人攻撃を受けているような趣旨のことを発信していた。なんかもう収集つかないような感じになっている。
どちらが、とは言わないが「誰も言っていないこと」を「言った」と受け取って怒る、というのは非常に不健全ではある。それをやり出したら、相手が何もしなくても「怒り」が勝手に生成されてしまうではないか。
また、それ以前の問題として、同業界の他社が何をやっていようと勝手だとは思う。同じ組合に入っているなら「紳士協定」でも結べば良いが、そうでないなら「自由」だろう。料金を異常に安くしようが「当店は●●です」と広告でうたおうが自由だ。
仮に「当店は明朗会計です」という店があったとして「おい、それじゃ俺たちが明朗じゃないみたいだろ」というのは言いがかりに近い。
本当にビジネス上の不都合が生じているなら、SNSで言うのではなく、直訴するなり裁判するなりすればいい。
おそらく、後に語る「理由」によって相容れないのだと思うが、だとしたら、それはただ「嫌い」と言っているのと同じだ。理屈をつけてどうこう言う話ではないと私は思う。他店は他店、他社は他社、他人は他人でよいのではないだろうか。
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