若手プロに知ってもらいたいこと④ なぜプロ団体がこんなに多いのか【前編】(文・黒木真生)
【現状10団体以上】
定期購読者の若手プロの方から「なぜプロ団体がこんなに多いのか」という質問があったので、それに答えます。
現在、5団体会議という名称の寄り合いを形成しているのは以下。各団体のタイトル戦がぶつからないように日程調整を行い、麻雀界における問題点を話し合うなど、定期的に会議の場を設けています。()内は設立年です。
・一般社団法人 日本プロ麻雀連盟(1981年)
・一般社団法人 最高位戦日本プロ麻雀協会(1985年)
・一般社団法人 麻将連合(1997年)
・一般社団法人 日本プロ麻雀協会(2001年)
・RMU(2007年)
以下の5団体は代表者が上記5団体に所属していた過去を持っており、それぞれが様々な活動を行っています。また、事実上活動を休止している団体もあるようです。
・一般社団法人 101競技連盟(1987年)
・日本プロ麻雀棋士会(1997年)
・全日本麻雀協会(2014年)
・麻雀共同体WW(2015年)
・一般社団法人 OUTREACH(2016年)
ほかにも麻雀プロ団体はいくつか存在しているかもしれないのですが、探しきれませんでした。数年前、新しくできたという連絡をいただいたりもしたのですが、今はどうなっているのかぜんぜん分かりません。
また、ネット上で「作りました」というHPを見た記憶もあるのですが、いつの間にかなくなっていたようです。
このように、プロ団体は「勝手に作る」ことができます。麻雀プロ団体に限らず、何かしらのプロ組織を作るのに国家の許可などは要りません。
ただ、サッカーや野球などのプロ組織を作るにはスタジアム建設やレンタルなど、莫大な費用がかかりますが、麻雀なら大したお金がかかりません。
誰でもいつでも簡単に作ってしまうことができるものなのです。
団体の中には一般社団法人化しているものもありますが、していない団体とさほど大きな違いはありません。法的には任意団体も「法人」と見なされるからです。利益が上がっていれば税務署もだまっていません。
ちなみに日本将棋連盟は公益社団法人で、日本棋院は公益財団法人です。また、プロ野球を統括するNPBこと日本野球機構は一般社団法人です。
法人の種類よりも「世間からどう認められているか」の方が大切なのでしょう。
【源流は最高位戦】
1976年に「近代麻雀」が設立した日本初の麻雀プロリーグ戦が「最高位戦」です。
ただし、当時は「プロ」という名称で選手を呼んでいたものの、プロ団体は存在していませんでした。
この辺りの詳しい話は別のnoteに書きましたので興味のある方はそちらを読んでください。
時系列で言うと、まずは1981年の日本プロ麻雀連盟設立が最初のプロ団体の誕生です。初代会長は小島武夫プロで、すぐに灘麻太郎プロにバトンタッチしました。
当初は「最高位戦」に参加するプロたちの「選手会」的な意味合いの団体になるはずでしたが、最終的には「近代麻雀」とケンカ別れするような形となりました。
したがって、プロ連盟に所属することを決めた人たちは「最高位戦」や「近代麻雀」と決別したことになります。
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