Mリーガーは渡辺太プロのようにミスを認めるべきか

【ファンサービスにもなる】

　プロ雀士が放送対局で判断ミスをした場合、それを素直に認めて発信するべきかどうか。
　答えは「そんなの人の自由」である。
　だから私は「べき論」にするつもりはないのだが、本当に「ミスをした」と思ったなら、素直に認めれば良いのに、とは思う。

　先日、滝沢和典プロにお願いして「Mリーガーの素顔」発売記念トークイベントをやらせてもらったが、その時、滝沢も「僕はミスしたらミスしたって言います。誰でもミスはあるんで」と言っていた。

　確かに「Mリーグ」の試合後のインタビューで、滝沢が「あれは間違えました」とか言っているのを聞いたことがある。
　その方が叩かれずに済むし、ファン同士が変な言い争いをしなくても済む。そういった言い争いが減れば、初めて麻雀放送を見た初心者の方々が「麻雀って怖くてヤダ」と思う確率が大幅に下がる。良いことづくしなのだ。
　何度も言うが、本当にミスしたと思った場合のみ、正直に言った方が良いのではないか、というのが私の意見だ。実はミスではないけど、アンチがうるさいからミスですって言っとけ、というのは違うと思う。
　あくまでも、本当に「こりゃミスったな」と思った時は、変に言い訳したり取り繕わずに「やっちゃった」と言った方が良いよねっていう話だ。

　もっと良いのは、今回、渡辺太プロがやったように「どのようなミスだったか」を解説することだ。自分のミスを教材にして解説することによって、ファンの皆さんは「なぜ人はミスするのか」とか「ミスにつながる思考のメカニズム」を勉強することができる。非常に素晴らしい手法なのだ。
　渡辺プロは試合後、以下をとりあえずポストした。

ふとしはラスでした。
現物勘違いやチートイの残り枚数見落としなどひどい単純ミスをしてしまいました。今日はゆっくり休んで次回以降巻き返したいと思います！
検討配信を楽しみにしてくださってる方々すみません🙇

— 渡辺太/ないおトン (@Futokunaio) January 25, 2024

　その後、以下のように詳しく解説をした。

昨日の東1局寿人さんのリーチを受けて。
6sは現物ですがタンヤオ可能性のある1シャンテン。通っていない牌が多く9s自体の放銃率はものすごく低いものの、35pの連続手出しで1pの放銃率も遜色ないくらい低いとみて打1pとするべきでした。… pic.twitter.com/Wo0lx3qfLj

— 渡辺太/ないおトン (@Futokunaio) January 26, 2024

　非常に分かりやすい。まるで戦術書が無料で読めるようなオトク感がある。これも立派なファンサービスだと私は思う。
　

【自信がある人ほどミスを認める】

　ただし、私はプロ雀士に「すべてを説明しろ」と言っているのではない。そんな必要はまったくないし、人それぞれ考え方や主義がある。
　もちろん「ミスに見えるかもしれない、セオリーから外れた打牌」を説明しないプロ雀士を叩いても良いと言っているわけでもない。
　時々、どこかの野党政治家みたいに「説明責任を」とか言っている人を見るが、そんな責任は誰にもない。