有名人が麻雀界に参入するのは良いことか?
【宝田明さんのこと】
俳優の宝田明さんが3月14日未明に亡くなった。
日本プロ麻雀連盟の名誉会長・灘麻太郎プロや小島武夫プロ(故人)と親交が深く、連盟が主催する麻雀大会や対局番組に出られることも多かった。
15年ぐらい前からは、私が連盟の窓口になった。
驚いたのは、二度目にお会いした時に「あ、黒木さんお久しぶり!」と言っていただいたことだ。私なんかの顔と名前を覚えてくださったことに驚き、そしてとても嬉しかった。
宝田さんの事務所に連絡することも何回かあった。事務所の担当者さんに企画内容を伝えた後には、必ずご本人から折り返しのお電話があった。
出てくださってお礼を言いたいのはこちら側なのに、いつも「お声がけありがとうございます」と言ってくださった。
そして「灘さんや小島さんはお元気?」と気にかけてくださって、麻雀大会のお誘いをした場合には「何か賞品になるようなものを持っていきましょうか?」と気を遣ってくださった。
こうした宝田さんの優しさがあって、さらには灘さんや小島さんとの友情があったからこそ、プロ麻雀界のことを気にかけてくださるのだと、私は勝手に解釈していた。
ものすごく優しくて、かっこいい方だった。
もう、実際にお会いすることができなくなったのだと思うと、一気にさびしい気持ちになる。
【著名人に支えられてきたプロ麻雀界】
思えば、プロ麻雀界は、宝田さんのような「愛情ある著名人」の方々に支えられてきた。
皆さんのモチベーションは、ほぼ100%「雀友への友情」だ。
自分からは出しゃばらないが、友達から頼られるのであれば、自分が有名であることを利用してもらっても良いよ。そういうスタンスの人が多かったと思う。
私にとっては、加賀まりこさん、風間杜夫さん、萩原聖人さん、綾辻行人さん、先崎学さん、加藤哲郎さん、皆さん同じである。いつも「100%友情」で、私たちのために協力してくださるのだが、でも「してあげている」という雰囲気は微塵も出されない。
むしろ「楽しかった、ありがとう」といつも言っていただく。
私は絶対に大スターになることはできないが、この人たちの「気持ち」だけでも真似できる人間になりたいと、いつも思う。
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