誰でもプロになれるの?
【自分の手のアガリ点が分からないプロ】
麻雀最強戦全日本プロ選手権を運営している際に、ある若手プロが長考に入ったのが目にとまった。仮にその人をAさんとしよう。
2回戦ワンセットで上位2名が勝ち上がるシステムの1回戦、南3局の親番で、2軒リーチが入っている。
全員が2万点台という接戦で、Aさんは14ソー待ちでテンパイしていた。
1ソーだとイーペーコーで4ソーだと役がない。余剰牌は完全安全牌だったので、リーチかヤミテンかの選択肢しかなかった。
まあでも、リーチやろ。
私はそう思って見ていたが、Aさんはヤミテンを選択した。
渋いなあ、渋すぎる。この状況で危険牌つかんだらオリるつもりか。ふーん。
一発でツモってきたのは1ソーだった。
うわー、親満だったけど、まあこれでも大きいぐらいの接戦だから良かったね。
そう思って見ていたが、Aさんはなかなかアガリを宣言しない。
ん?
まさかフリテンリーチ。んなわけないよな、状況的にあり得ない。
でもまだ宣言しない。右端に1ソーを立てたままじっとしている。
私は腕時計の秒針を見た。そこから5秒。
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