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若手プロに知ってもらいたいこと 仕事をドタキャンするとどうなるか
【スケジュール帳をつけるとバカになる?】
信じられないかもしれませんが、1999年に有限会社バビロンができてから数年間はスケジュール帳をつける社員が1人もいませんでした。
だいたい毎日何かしらの打ち合わせや取材が入っていたのに、なぜか誰もメモをとろうとしなかったのです。
スケジュールはすべて頭に入っていました。それに、事務所には4人から5人ぐらいの社員がいて、その内の誰かが覚えているので、打ち合わせや取材などを忘れるということはありませんでした。
でも、メンバーの全員が、1人、また1人と、とんでもない失態を犯すようになっていきます。ま、当たり前ですよね。スケジュールを記録しないというのは無茶苦茶です。
痛い目を見た人が増えたので、インターネット上でスケジュールを管理できるサイトを見つけ、利用することになりました。
それを見れば誰がどんな仕事をする予定なのか一目瞭然で便利でした。
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こうやってスケジュールをつけるようになり、打ち合わせのすっぽかしなどが減ったのかというと、実はそうでもありません。
スケジュールを書かないというのは非常にスリリングな状態で、常に緊張感がありました。「スケジュールをメモるのが面倒くさいから覚えておこう。ただし、忘れたらヤバい!」という「臨戦態勢」だったため、意外と忘れないのです。
でも、スケジュール帳に記入するようになると、記入した瞬間に安心してしまいます。で、結局はそのスケジュールを見るのを忘れてしまうんですよ。
もっとひどいのは、スケジュール表に記入すること自体を忘れてしまうことです。
LINEで打ち合わせの日時が決まった。さあ、スケジュール表に入力しようと思ったタイミングで電話が鳴る。それを無視して「まずは記入だ!」とできる人なら良いのかもしれませんが、私は「優先順位」を考えてしまうタイプです。だいたいはLINEで済むこの時代に電話をしてくるということは緊急性が高いのだろうと考え、まずは電話をとってしまうんです。
電話が終わった時点では、まだスケジュール記入のことは覚えています。でも、年に1回か2回、何度も連続して電話がかかってくる日があります。しかも、その内容のインパクトが強いと、最初に記入するべきだった打ち合わせのことを忘れてしまうんですよね。
で、数日後、その打ち合わせ相手から「あれ?」という連絡をいただき、平謝りに謝って、という事態が起きるわけです。
結局、どうやったって忘れるものは忘れてしまうんですよね。
今はネット上のスケジュール表に入力した上に、さらに紙の手帳にペンで記入するという徹底ぶりなのですが、それでも年に1回ぐらいは何かしらの仕事をすっぽかしてしまいます。
だからあまり、仕事をドタキャンしたり、穴をあける人のことを責める気にはならないんですよ。自分もやってしまうから。
ただ、ある特定の相手に詫びれば良い「打ち合わせ」と、大人数を巻き込んだ「仕事」のドタキャンでは、影響がぜんぜん違うということを忘れてはなりません。
【対局番組の場合】
キャスティング担当者の一番のストレスは「現場にちゃんと入ってくれるかどうかの心配」です。
だから入り時間になっても来ないとイライラします。「遅れます」などの連絡をくれれば、とりあえずは安心します。でも、連絡がとれなかった場合は「もしかして来ないんじゃないだろうな」という不安が襲い掛かってきます。ていうか、自分がちゃんと連絡してたっけな? という不安も生まれます。実際にはちゃんとやっていても、相手が「連絡きてない」とか言い出さないかなとか、嫌なことを思い浮かべてしまうんですよ。
で、とりあえず怒られるのは俺だなーと。理不尽だけど担当は自分なのだから、出演者が来なくて怒られるのは俺だなーと。
で、自分を怒る上司は、テレビ局の偉い人に怒られます。そしてその偉い人も、さらに偉い人に怒られるんです。
たった1人、無責任な出演者がいるだけで、迷惑をこうむる人だらけになってしまうんです。
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