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(ザンリーグ)高田vs.黒木の結果はどうなったのか


【黙れ素人】

 私のオンラインサロン「黒木真生と麻雀界の真実を語る会」で、6月11日にザンリーグ代表の高田まさひろ氏との面談を生配信した。

 高田は私の18歳年下で、かつては最高位戦に所属するプロ雀士だった。
 24歳でプロになったが、約1年で除名処分となった。SNSで「黙れ素人」と発言し炎上。それがきっかけで除名になったというが、本当にそれだけだとしたら処分が重すぎる気がする。
 本人は「色々と生意気だったから、積もり積もったものがあって合わせ技一本みたいな感じだったかもしれないです」と言っていた。
 最高位戦側に取材をしていないので断定はできないが、別に除名についてがメインテーマではないので、そこには触れないでおく。

 その後、雀荘を多店舗展開したのが裏目に出て、借金1,200万円を抱えた状態でギブアップ。すべての店を閉じた。
 2年後、支援者が現れたことで再スタート。雀荘経営で成功し、借金1,200万円を完済した。
 さらに2年後、賭博開帳図利の疑いで逮捕され、店は営業停止に。略式起訴で罰金20万円を支払うだけで済んだが、無職になってしまった。
 仕方がないので雀荘でアルバイトをしながらYouTubeを始め、さらには三人麻雀の競技団体「ザンリーグ」を立ち上げることを思いつき、実行する。
 2022年にはYouTubeチャンネル「令和の虎」に出演するなど、プロ麻雀界から身を引いた後も、何かと話題になっていた。


 私からすれば、他団体の若手が「黙れ素人」事件を起こして炎上しやめてしまったというだけで、特に迷惑もこうむっていないから、気楽に眺めていた。

 高田に初めて会ったのは神保町の「プレイボール」という雀荘だった。二階堂亜樹をモデルにした映画「女流闘牌伝 aki」の撮影場所として「プレイボール」に交渉に行った際に、店主の高田に対して、私が直接お願いしたのである。
 高田は私の話を一通り聞くと「うーん、まあ、うーん」と上を向いてから「分かりました、お貸ししましょう!」と快諾してくれた。
 普通、店を撮影に貸すというのは、ものすごいデメリットばかりで嫌なはずである。撮影期間中は営業できないから売上がなくなる。売上の補償を制作サイドからしてもらったとしても、その間に逃がした客の資産価値は計算しづらく、請求するわけにもいかない。たとえば、その撮影さえなければ、5年間、毎週1回来てくれたはずの客が、他の店に行ってしまうかもしれないのである。
 1回の来店で落とすゲーム代が5,000円だったとしても、5年間毎週1回なら100万円以上になってしまう。それが2、3組あったとしたらどうだろう。考えるのも怖いので、普通、雀荘は撮影どころか、大会などの貸切も嫌がるのである。
 それを高田が快く貸してくれたので「こいつ、すごいな」と思っていた。また、貸すなら貸すで、ゴチャゴチャ言わずに「良いですよ」で済ませてしまうあたりが「できる」と思った。
 実際問題、そこで何かゴチャゴチャと細かい話をしたところで、気休めにしかならない。映像制作スタッフに「貸す」と言ったら「好き勝手やられる」という意味なので「最後は現状復帰してくださいね」ぐらいしか約束はできないのだ。
 その時は、私たち「麻雀企画集団バビロン」が監修についていたから良いが、最悪の場合、卓などの設備を壊されてしまう。そういうことだけは避けるべきなので、必ず撮影現場にはスタッフを置いておく必要がある。
 これを「壊さないでくださいね」なんて言ったって意味がないのだ。運転免許証のない人に車を貸すのと同じで「事故に気をつけてね」なんて言っても100%事故る。それと同じだ。
 なのに高田は貸してくれた。以来、恩義を感じていたし、一目置いていたのである。

 「あのプレイボールがまさに不良債権というか一番ダメな店で、あの頃がちょうどヤバかった時期でしたね。もうお店やっててもダメなんで、撮影に貸した方がマシっていう判断でした」

 高田は後日、そう語ってくれた。
 だが、私はあの時の、高田の「物事の決め方」に共感したのである。
 「ちょっと考えさせてください」とかではなく、かなり重要なことを、3秒ぐらいで決める。「うーん、ま、いいでしょう」と。
 それが、馬場裕一さん以下、バビロンの面々の物事の決め方と一緒だったので、私は高田のことを気に入ったのである。

【夕刊フジ杯を断った理由】

 その高田となぜ私がオンラインサロンで面談を行うことになったかというと、私が「ザンリーグ」の「夕刊フジ杯」出場を断ったからだ。
 バビロンが主催する「夕刊フジ杯争奪 麻雀女流リーグ2025」という女性プロ雀士によるチーム戦があって、そこに「ザンリーグ」として申し込みがあった。

 が、私はそれを断らざるを得なかった。

 高田は、その理由を話してほしいと言ってきた。
 私がオンラインサロンを始めたことを知って「これにお金を支払ったら、僕みたいにプロ麻雀業界でつまはじきにされている人間でも面談可能ってことですよね?」と言って、面談を申し込んできたのだ。
 やっぱり、この人は頭が良いと思った。
 高田は、人が見ているところで、私から「夕刊フジ杯出場を断った理由」を聞こうとしたのだ。

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