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最強戦はプロ連盟に有利なシステムなの?(文・黒木真生)

【プロ連盟の選手は本当に強いの?】

 もうすぐ今年の最強戦も予選が終わり、12月には「ファイナル」が行われて新しい最強位が決まる。
 いま決まっているファイナリストは以下の14名。

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 カネポンこと金本晃「最強戦」実行委員長が、このトーナメントボード画像とともに「今年の最強戦、プロが12人ファイナル決まってるけど8人が連盟やん! 連盟強すぎんか? これでいいのか麻雀界!!」とツイート。

 アマ最強戦の前にちょっと盛り上げたかったのだと思うが、案の定、多くの方からお叱りを受けている。

 中でも多かったのは「連盟員をたくさん出しているんだから当たり前だろ」という論調のもの。
 
 まあ、それはそう言われるであろう。実際に予選には日本プロ麻雀連盟のプロが多く出ている。

 ただ、カネポンが言いたかったのは「予選に出ている割合よりも多く勝っているよ」ということではないだろうか。

 私も2020年、2021年は「よく勝つなー」と思ってはいた。

 麻雀最強戦のファイナリストは16名。そこから下記の4名を除くと、プロ雀士は12名が出場する。

・現最強位
・著名人2枠
・アマ最強位

 で、その12枠を決める予選には8名ずつが出るのだが、まだ「リベンジ」は終わっていないので、11枠×8名=88名が分母になる。
 88名を分母として計算してみると以下のようになった。

・連盟:  42名(47.7%・5.25名)【8】
・最高位戦:23名(26.1%・2.88名)【1】
・協会:  15名(17.0%・1.88名)【1】
・麻将連合: 5名( 5.7%・0.63名)【1】
・RMU:   3名( 3.4%・0.38名)【0】

 後ろのカッコ内の%は88名に対する占拠率。たとえば協会なら88名中17パーセントが協会員ですよという意味だ。
 で、その後ろの何名というのが期待値。たとえば最高位戦なら11枠中3名弱ぐらいがファイナルに行けそうという数字だ。
 そして【】内が実際の人数。
 これだけを見れば、確かに麻将連合とプロ連盟以外は期待値以下なので「連盟が出場割合よりも多く勝っている」ということにはなるが、だからといって「連盟が強い」ということにはならない。
 
 予選には予選の戦いがあって、そこで惜しくも敗れた選手がいる。たとえば、毎回最強戦に出ていつも準優勝という選手がいたとしたらその人は間違いなく強い。

 それに、結果も大切だが、麻雀プロは「内容」も大切だ。その「内容」とは「牌効率通りに捨て牌を選んだか」というレベルのものではなく「視聴者に感動を与えたか」どうかで決まる。ただし、それも「一生懸命勝とうとしてやった結果」にすぎず「感動させよう」と思って簡単にできるものではない。
 ここは本題から外れるのであまり深く論じはしないが、要するに「これだけ見てプロ連盟つえー」とやるのは幼稚すぎるということが言いたかったのである。
 
 ただ、こうやってトーナメントボードに名前が並ぶのを見て、カネポンが「連盟の選手が勝ってるなー」と思うのは当然だ。多くのファンの方もそう思っているだろう。敗れた選手たちは「次こそ」と思っているに違いない。

 それでいいのだ、と思う。

【団体枠があるならプロ連盟は「もっとちょうだい」になる】

 ちなみに2020年は以下のような結果となった。

画像2

2020年ファイナル出場者
 

この年は16名出場の予選があったので2021年よりも8名多い。また、団体無所属の馬場裕一プロが出ていたので1名引いて分母は103名である。


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