若手プロに知ってもらいたいこと 関西人が注意するべきポイント
【文化の違いを知る】
私は神戸の山奥の出身なのですが、先日、帰省した際に久しぶりに地元の電車に乗ったら、対面におしゃれでお上品な感じの年配の女性が座られました。その方が持っていたバッグが変わっていて、面白いなーと思って見ていました。
すると、後から乗ってきて、その人の隣に座ったもう一人のおしゃれでお上品な感じの年配の女性が「すんません、このバッグ、ファスナーのところ、どないなってるの?」と、柔和な表情で優しく話しかけたのです。
そのバッグの上部はファスナーが4方向か5方向から開閉するような作りになっていて、全部を閉めて上から見ると、ヒトデ形というか星形のようになるのです。
バッグの持ち主さんは笑いながらも「これ、こないしてこないなるんです。でも、夜さむくなったらアカンからマフラー入れてて、閉まらないんです。はずかしわぁ」と言います。それに対して質問者さんは「へえ、可愛いなあと思って。ちなみにこれ、どこで買いはったん?」と、どんどん会話していきます。電車の中で隣になっただけなのに、まるで近所の人か同級生のようです。
「これは大阪で買うたんです」
「へえ、可愛いねえ」
「でも19,800円やったんです。意外と安いんです」
「へえ、そうなんやねえ。そう見えないねえ」
そういえば、そういう街やったなあと思いましたが、東京ではあまり見ない光景ですよね。
私は19歳の頃、神戸を離れて上京し30年近くが経ちました。だからもう東京の方が長いので、感覚的には東京の人になっています。
上京した時は、けっこう文化の違いに苦労しました。
何か知らんけど、嫌がられるんです。
大学の野球サークルに入り、先輩に話しかけるのですが、よそよそしいんです。他の1年生たちはかまってもらっているのに、私には冷たい人が結構いたんですよ。
それでも構ってくれる人がいたので「何ででしょうね?」と相談したら「それはお前が関西弁だからだよ」と言われました。
うそ! 何それ! 差別ですやん!
私はびっくりして言うと「それだよ、それが嫌なんだよ関東の人間には」と言われてしまいました。
え? どういうことですか? 普通ですやん。普通にしゃべってますやん。
「だから、言葉数がまず多いんだよ。それと勢い。無駄に勢いがあって、こっちが押される感じがする。あと、なんとかですやん、とか、ますやん、って敬語っぽくないんだよ。一応は『ます』とかついてるから敬語なんだろうけど、最後に『やん』がつくから敬語感がねーんだよ」
へー、なるほど。ありがとうございます。
その先輩は頭がよくて親切なので、そうやって分析して教えてくれましたが、普通、上京したての関西人は「なんでだろー」と思いながら日々を過ごすのだと思います。
そんなことを思い出していたら、あ、これ関西出身のプロ雀士たちに言うてあげなアカンなあと、思いついたわけです。
【最初はビジネス関西弁で】
麻雀対局番組を作っている人の意見を聞くと、おおむね「地方出身者が地方色を出してくれるのは嬉しい」と言います。
たとえばMリーグ「TEAM RAIDEN/雷電」の本田朋広プロが富山なまりで喋るのは歓迎されています。
あえて富山弁で言った「雷電の麻雀は、おもしいんです!」というのは、ファンからも受け入れられていましたね。
他の競技でも、地方出身の選手がその地域の人から応援されやすいという現象はあるので、それを見倣うのは麻雀プロとして間違っていないのですが「関西」だけは要注意です。
ここから先は
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?