とにかく強い佐々木寿人の強さの秘密(文・黒木真生)
麻雀最強戦2021「ザ・リベンジ」直前!
近代麻雀2021年8月号麻雀の強さとは何だ【速さ編】より
俺にとってはメンタンピン
東2局。ドラのダブ東暗刻のテンパイ。赤もあるのでヤミテンでも親ッパネだが、寿人は何食わぬ顔で「リーチ」と言った。
「え?」と思った人も多かったようだ。「リーチは役がない時に掛けるもの」「リーチは安い時に高くするために掛けるもの」「リーチを掛けても出そうな良い待ちの時に掛けるもの」と、我々凡人にはそういった常識があるから、四七待ちの役あり1万8千点は思わずヤミテンにしてしまう。
で、相手が「早目の処理」で四七を切ってくれれば「しめしめ」なのであるが、こんな経験はないだろうか?
こっちが殺傷力満点のヤミテンをしているのに気づかず、好き勝手な牌を切り、ポンとかチーとかやり始め、挙句の果てに下家から上家に千点の放銃。
こんなことならリーチしておけばよかった。
寿人はこれが嫌だからリーチを掛けるのである。
寿人「リーチを掛けたからといってアガリ率が下がるとは思わない。相手も勝負手なら不要牌は切るわけだし。くだらない手でとりあえずテンパイしたらたまたまツモったというのを封じ込められるだけでもリーチの価値がある。親ッパネ一発で勝負が決まるわけでもないし、俺はリーチですね」
赤ドラなしのルールでも?
寿人「リーチです」
一発・裏ドラなしの連盟公式ルールでも?
寿人「リーチです」
このブレなさ! これが寿人の強さである。寿人曰く【どんな高い手でも俺にとってはメンタンピン】だそうだ。メンチンだろうがメンホンだろうがドラいっぱいだろうが、メンタンピンをリーチ掛けるように普通の気持ちでリーチしろということらしい。
ちなみに、先に鳴いて警戒されている人の捨て牌に四七がある場合のみヤミテンにするとのことである。
表題のこの手、リーチを掛けたことで他家が鳴いてかわそうとしてきたが、結果は以下の通り。親の三倍満ツモとなった。
どんだけ勝ってるの?
赤ドラ麻雀の東風戦ストリートファイター出身だけあって、Mリーグ2020で個人1位、「天空麻雀」で6回優勝と、赤ドラルールで滅法強い。のであるが、赤のない「モンド杯」で4回、麻雀日本シリーズ2018・2020で優勝するなどやはり強い。
そして、一発・裏ドラのない日本プロ麻雀連盟公式ルールでも、連盟のチャンピオンクラスが集う「麻雀グランプリMAX」の2016年大会で優勝。さらには連盟の頂点である「鳳凰位」を今年獲得するなど、どんなルールでもむちゃくちゃ強いということが分かっている。
尚、最近だけ強いということではない。連盟在籍15年間のリーグ戦トータル成績は+1417.7ポイントと鳳凰戦出場者約400名の中で1位。
Mリーグでも3年間トータル96試合で+803.1と、長期スパンでも安定した成績を残しているのである。
場況に合わせたリーチ選択
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