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ビートルズになれなかった男【文・角谷ヨウスケ】


もうずいぶん前なのだけれど『ビートルズになれなかった男』というドキュメンタリーを見た。
ビートルズといえば全世界的な大スターだ。
ぼくも世代ではないから詳しくは知らないけれど、ネットを調べてみると―――

〇デビューアルバムの売り上げが200万枚以上、全セールスは10億枚以上
〇解散して50年以上たつ現在(2020年データ)でも権利使用料などの収入が約68億円
〇もちろん音楽の教科書にもその楽曲がたくさん載っている

ということなので、まぁ知らない人はいないだろう。
そんなビートルズになれなかった男、ウルトラスーパースターになりそこねた男がいたらしい。
名をピートベスト。ビートルズの初代ドラマーにして、メジャーデビュー直前に解雇されたという。
その理由の詳細は不明。
受験に失敗して浪人すると1年あたり500万円の損(定年までの労働期間が減るから)という説があるが、
ビートルズに入り損ねていたら、いやむしろデビュー直前まで正式メンバーであったのにクビになったなら、生涯賃金で何百億円を損したことだろうか。
経済面だけでなく、ミュージシャンとしてのやりがいや自己実現など、有形無形の損失は計り知れない。

…さて、ここは近代麻雀noteでした。麻雀の話もしましょう。

どうやったらMリーグに選ばれるか

毎年ドラフトの時期になると誰々は候補だとか、そうでないとか、噂話は聞こえてくる。
現タイトルホルダー、SNSでの影響力、ビジュアル、企業とのコネ、選手からの評判、などなど選ばれる要素は様々あるだろう。
ぼくは関係者ではないので実際のところはわからないけれども、“持たざる男子プロ”にとってはタイトル獲得がもっともアピールできる手段なことは間違いない。
特にプロ団体の主要リーグ戦を勝ち抜いたタイトルは1番の実績になる。麻雀協会でいえば雀王だ。
直近の事例だと、麻雀協会では『雀王』を獲得した5人中4人、最高位戦の『最高位』を獲得した6人中5人がMリーグ入りしている。
プロ麻雀連盟の『鳳凰位』は佐々木寿人選手の連覇や複数年獲得などがあり、人数比率の換算が悩ましいが6人中4人がMリーグに参加している。
「タイトルだけではない」にしろ、おおよそ80%の人間が選ばれているというのは決して無視できない数字だろう。

『熱狂を外へ』の合言葉のもと、Mリーグとともに麻雀業界は活性化されてきた。
Mリーグの人気は年々高まっているし、それに付随して各団体のリーグ戦も注目を集めるようになってきた。
今や協会のA1リーグは全卓生放送。もしかしたら今後Mリーグに参入しようという企業の方も見られているかもしれない。
麻雀バカたちが腕を磨き、タイトルを獲得して華々しいMの世界へ。
まさにメジャーデビュー、麻雀界も夢のある世界になった。

ダンゴのタレ

そんな中A1リーグという舞台から振り落とされるもの。

私だ。

今期は序盤から大きな負債をおい、それを返済できることなく最下位での降級となった。
ぼく以外は比較的ダンゴの、差の小さいシーズンで、一時はぼく以外のマイナスを全部足してもぼくのマイナス分の方が大きいなんて状態だった。

なんと全員のマイナスの合計が△265程度に対して角谷1人で△451

小林剛さんからは「角谷はダンゴのタレ(ダンゴのさらに下にある甘くて美味しいやつ)」といじられる始末。

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