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菅原千瑛「BEAST戦記」03 2023年11月23日


月冴ゆる

何とも濃ゆい1年でした。表すならば"激動"の2文字。
気付けばまたひとつ歳を取り、猛暑はどこへ消え去ったのか急激に冷え込む季節となっていました。
ここからの1年は"激動"からどんな変化を遂げるのか。日々をどう重ねていくのかは自分次第なので、どうであれ、素敵な1年だったと振り返ることの出来るものにしていきたいと思います。

BEASTの勝負所

Mリーグ11月23日の第2試合
南2局2本場ドラ8s
親 太  17900
  伊達 13100
  亜樹 36500
  菅原 31500

  (文中すべて敬称略)

南場の親番は12000のアガリを決めての連荘1本場は手牌に赤赤があり、前に出たい気持ちはありましたが『ふとっしーのリーチに対して掴んだドラのNは打ちきれないなぁ』という判断の元、ノーテンを選択。
流局後、ドラ単騎待ちの手牌が開かれます。
『よしよし、堪えた!』という印象でした。

そして流局で迎えたのがこの南2局2本場です。

10巡目、トップ目の亜樹さんからリーチの声。
手の内から白、2、1そして宣言牌の中(2枚切れ)を切ってのリーチが入ります。

ここでの注目点としては、
"ペンチャンターツ落とし"+"安全度の高い字牌を切ってのリーチ"+"トップ目のリーチ"=このリーチは"好形、高打点の可能性が非常に高い"ということ。

ペンチャンなど愚形のターツ落としは手の内がより良いものに変化していることを表しています。
さらに2→1の切り順は内側の2を引っ張る必要がない程の良いもの(両面形やドラ面子など)に振り替わっていることが多いです。

そして安全度の高い字牌を手の内に引っ張っているということはターツ候補がすでに決まっていて、なおかつ待ちは好形の可能性が高いことを表しているのです。
(特例として、三色同順や一気通貫など手役絡みの場合のみ愚形を払っていても愚形のパターンが出てきますが、その場合は高打点が出てきます)

2着目との点差は5000点といえどもトップ目のリーチはある程度の勝算がないと行きづらいところ。そこに加えてこの打ち手が守備型である二階堂亜樹プロということ。もうこれ以上ないくらい信頼度抜群のリーチです。愚形であるはずもリーチのみ手などの安手であるはずもない、と言い切っても良いでしょう。

これを踏まえた上で、1発目には現物のをツモ切り。次巡、聴牌を果たします。

一二三四八九③④⑤45東東 ツモ6 ドラ8

前提として、このままではドラがないため手役で打点(三色同順か一気通貫)が狙えたら良いな、という気持ちでした。

仮に、リーチが入っておらず、3をひいてきていたら聴牌を取らずに345の三色狙い八九のターツ払いの選択もありました。

一二三四八九③④⑤45東東 ツモ3

もちろん、一を切って三色変化を見たダマテンもあると思います。
というのも、河を見渡すとペン七は1枚切れですが九を三者が切っており、萬子の上はさほど悪くなさそうに見えます。

しかし現実には亜樹さんからのリーチが入っており、ツモってきたのは6

『これをあがられてしまうとトップが決まってしまう。そして、放っておいたらおそらくツモられてしまう』
『このペン七なら勝負になる! 自分があがれたならば打点以上に大きすぎる』

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