輝け!豊後無双【文・五十嵐毅】
豊後葵(ぶんご・あおい)は日本プロ麻雀協会、7期後期の入会だが、僕は入会する数カ月前に会っている。
山崎一夫さんがやっていた『たぬ』高田馬場店(現在は新宿店、神保町店のみ)へ遊びに行くと、とても元気でよく動き、大きな声で接客している若くて(当時20歳)可愛い娘がいた。
「元気があって、いい娘だな。ああいう娘が協会に入ってくれればいいのに」
と思っていると、一緒に働いていた石橋伸洋さん(最高位戦)に何か言われたあとに、トコトコとこちらに近付いてきて、麻雀を打っている僕の後ろで深々と頭を下げ、
「今度日本プロ麻雀協会を受ける豊後葵と申します。よろしくお願いします!」
と、店中に響き渡るような声で挨拶された。
こっちはビックリしてツモってきた牌を落としそうになった。
「あっそう、協会を受けてくれるの。ありがとう」
と、これは本心で言った。
ひと目見たときから、この娘は人気が出るという予感がした。
ところで、このとき石橋さんに耳打ちされたのは、「あの人が協会代表の五十嵐さんだよ」ということらしい。
おいっ、自分が受ける団体の代表の顔と名前ぐらいは調べておけ!
ファンクラブイベントで女子高生コスプレ。佐月麻理子と
ということで、豊後には協会に入ったばかりの頃から仕事を振った。
漫画家・大和田秀樹さん(『ムダヅモ無き改革』連載中)のプライベートな麻雀大会に呼んだり、初めて麻雀モノを描く方のモデル(指の動きやポーズ等)になってもらったり。
一度、梶本琢程さん主催のオフ会で湯河原の旅館(囲碁、将棋、麻雀の設備が整っている)に行ったが、梶本さんは車の運転をしながら、動画を回して豊後をずっと喋らせていた。
「あの娘の喋りは面白い」
と、以降、梶本さんも豊後に仕事を振るようになった。
衝撃的だったのは、竹書房のチャンネルでやった「豊後ラジオ」だな。
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