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【秘蔵対談】馬場裕一×瀬戸熊直樹②

この対談は、映画『麻雀最強 the movie』作成時収録した、馬場裕一と瀬戸熊直樹の対談である。2020年秋収録。全3回。

①はこちら


■麻雀最強戦2011と前原雄大

瀬戸熊:最強戦といえば、やっぱりファイナルで馬場さんと戦った戦いが印象的なのですが覚えていますか?

馬場:一番最初のやつだよね。有楽町でやったときの。

瀬戸熊:そうです、前原さんと藤崎さんとの。それでまぁ、馬場さんがトップ目を走っていて、前原さんが倍満条件だったんですけど、2局連続で倍満入れてくるんですよ。

馬場:あれねー、もうバケモンなのよ。2011年の最強戦ファイナルで、その前原さんと久しぶりにA卓でぶつかったのね。その時も僕快調でね、トップに立つんだけど、倍満でひっくり返してきたんだよ、本当バケモンだなぁって。

何がバケモンかというと、瀬戸熊さんも出ているモンド名人戦、前原さんものすごく絶好調の時なんだけど、親でメンチンテンパるわけ。8索、9索のシャンポンで闇テンにしているのは、例えば7索とか引いてくると一気通貫になったり、待ちも良くなるんで闇テンにしているんだけど、荒さんがチーと仕掛けた瞬間リーチを打つわけで、あっさり8索ーツモって8000オールなんだけど
「あれ、なんでリーチ打ったんですか?」
って聞いたら、
「荒さんが仕掛けたから足止め」
って前原さんが言ったのよ。
メンチンを足止めにリーチかける人はいないし、発想が違うよね。

瀬戸熊:わかります。僕プロリーグでA2リーグ打っているときに、前原さんがA1リーグで同じ会場だったんですね。それでたまたま前原さんの手牌が見えたんです。そしたら1-4-7筒のメンチン聴牌してたんです。それである牌持ってきて、カン7筒に受け変えて。

馬場:え?

瀬戸熊:九蓮宝燈の確定テンパイにしたわけですよ。

馬場:ああ~。

瀬戸熊:それで、リーチって言うんですよ。それで一発でツモってくるのですが、点数を言わないで「ツモ、九蓮宝燈」って申告したのが印象的で、やっぱり怪物だな、と思いました。

馬場:僕のイメージは、瀬戸熊さんと打つときはスポーツみたいな感じで打てるけど、前原さんと打つときは避けたい、勝ち負けを争いたくないという感覚だなぁ。

■麻雀最強戦2018

瀬戸熊:あと馬場さんとの対局で印象深かったのは馬場さんと多井さん、浅井さんとの闘いも印象的でしたね。

馬場:あ~僕が国士打ったやつだ。

瀬戸熊:そうです、あの時僕が馬場さんに感じていたのは、たぶんすごいチャレンジャー精神できたんですよ、なんか負けて当たり前、みたいな感じで。本当は僕もその気持ちで臨まなきゃいけないのに、ちょっと斜に構えていて。だからやっぱり馬場さんが東場で独走を築くわけですよ。

馬場:はい。あの、ちょっと、強欲打法をやっちゃってね。

瀬戸熊:それで僕がなんとか2番手張っている時に、浅井さんがすごい変な捨て牌切っていて。ドラの8筒を第一打に切って。

馬場:そうそう、そのあと暗刻かぶってましたね。

瀬戸熊:あーあー、国士行っちゃって、て思って呑気に親番し安全圏に行くためにもリーチかけたら。

馬場:僕も呑気にあ、現物の9萬切ったら、ロンって言われて。

瀬戸熊:その後アガった浅井さんも多井さんに捲られて。そういうの含めて馬場さんと戦うとすごくミラクルなことが起こるなと思いました。

馬場:僕あの時印象的だったのが、その後のインタビューで瀬戸熊さんが「東場は馬場さんの時間帯だった、次に自分の時間帯が来た」と言っていて、その言い方がいいなと思って今も結構使わせてもらっているんだよね。本当は本流って言いたいんだけど、時間帯って言葉いいなぁって。

■流れ

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