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麻雀しゃべりば「Mリーグと最強戦。いいとこ・こうして欲しいとこ・不思議なところ」 【近藤誠一・瀬戸熊直樹・園田賢】後編

 ■瀬戸熊「敗軍の将、兵を語るべからず」


 園田 Mリーグのいいところと改善点、改良点について話していきたいと思います。僕はMリーグで一番いいところは、チーム戦にしたところですよね。もう一つはユニフォームかな。ユニフォームは楽ですし、スポーツ感が出ますよね。それで見ている人たちも応援しやすくなるし、チームのカラーでもいいし、これはすごい発明だなと思ったりするんですけど、誠一さんは何かありますか。
近藤 もともとチームメートのファンだった人がフェニックスのファンになってくれて、自分のことも知ってくれてファンになってくれる。そういうこともよくありますよね。
瀬戸熊 僕がいいと思うところは、やっぱり映像技術ですかね。見せ方がうまいですよね。入場シーンもそうだし。最高位戦さんのA1リーグもそうだし、うちのAリーグもそうだけど、同じメンツでやっているのに視聴者の数が全然違う。
あと、RTDの頃からそうだったんですけど、舞台裏を映すのがいいなと思いますよね。ドリブンズさんの今期の悲しみのシーンとか、サクラナイツさんの昨シーズンの喜びのシーンとか、そういうのをずっと追ってきてくれるから、ファンの人も共鳴しやすい、それは感じますよね。ただ、自団体でそれをやると人件費もかかるし。
園田 そこなんですよ。カメラマンの方1人分とそれを編集する人ということで、かかりますよね。
瀬戸熊 Mリーグはリーチのたびに部屋に入ってくるからね。
園田 すごいですよね。かけているお金が半端ない。
 じゃあ、ちょっとここは変えてほしいなっていうところは。
瀬戸熊 一つあるのは、最低試合数。MAXの試合数は上限が決まっていて、最低も一応10試合となっているけど、それを引き上げたほうが、使いどころがみんな難しくなってくる。先に誰かをいっぱい使えないとか、そういうので作戦の妙が出てくるかなと。ウチなんかは、萩原さんが、「出られるときに全部出しとかないと」って。
園田 いつ忙しくなるか分からないから。
瀬戸熊 そういうのもあるので、最低試合数をもっと引き上げるといいかなと思いました。
園田 僕、「ここは」っていうのがあります。ラスインタビューの木箱ですね。
瀬戸熊 木箱!?
園田 インタビューのときに、トップとラスで、ラスが最初にインタビューを受けて、ラスだけど一生懸命、みんな明るく気丈に振る舞ってインタビューするわけじゃないですか。それが終わった後ですよ。横で木箱に座らされて、トップの方の「やったぜ!」っていうインタビューを見ていて、あのときにみじめな気持ちになりません?
近藤 できればすぐにはけさせてほしい。
園田 あそこははけさせてほしい。だけど、その間の音が入る都合とかで出させてくれないらしいですけど、あそこはなんとか出させてよ!って思います。だけどあれが木箱じゃなくて、王様の座る椅子みたいなやつだったらまだ自尊心を保てるんですけど、木箱のみかん箱みたいなのの上で、お尻が痛いというか、気持ちに来るんですね。はけさせてもらえないなら、もうちょっといい椅子にしてほしい。
瀬戸熊 しかもたまに、引きの画が来ますからね。
園田 あれは辛いですね。ラスインタビューって、ラス引いた人の気持ちとかもエンターテイメントとして必要だと思うんで、あれは絶対になくさないほうがいいと思うんですけど、そういったことは思いますね。
瀬戸熊 園田さんのロングインタビューは狙ってやっているんですか?
園田 狙ってやっているというか、僕はしゃべるのが苦手で、こう見えて。
瀬戸熊 苦手なんですか!?
園田 そうなんです。人前でしゃべるのが苦手で、心意気とか意気込みをとかがしゃべれないんですよ。だから、しょうがないから麻雀の内容だけをしゃべる。で、麻雀の内容だけをしゃべると、誤解のないようにちゃんと伝えようと思うと、どうしても長くなるんですよ。
瀬戸熊 それで、足りないところはYouTubeで。
園田 だから最近は「続きはYouTubeで」って言いたいんですけど、ABEMAさんの電波を使って自分のところに誘導するのも怒られそうだなって思っていますけどね。

瀬戸熊 でも、今シーズンは売りになりましたものね。
園田 そうですね、おかげさまで。だから、そんなにしゃべることないんだよねっていうときも、長くしゃべらなきゃダメなのかな、みたいな感じになっちゃって、結局面白くないことをダラダラとしゃべる、みたいなふうになっちゃいますからね。瀬戸熊さんはYouTube始められたりとかはしないんですか。
瀬戸熊 僕はたぶんやらないです。僕はプライベートでは結構グダグダしたい、それで仕事はきっちりやりたいタイプなんですよ。YouTubeをやり出したら仕事と思っちゃうから、毎日きちっとやらないと気が済まなくなっちゃいそう。
園田 確かに、そういう方はしんどいかもしれない。
瀬戸熊 園田さんみたいに楽しく一杯やりながら、というのは絶対できないタイプで、きちっとやりたくなるので、やらないほうがいいですね。Kurosawa chにたまに出るぐらいでちょうどいい。ただ、僕もいろいろなダメ出しをみなさんから受けたときに、言いたいことがあるわけですよ。
園田 そうですよね。いろいろ言われても「いやいや違うよ、こんなことまで考えているんだ」って。
瀬戸熊 だけどそれを、僕自身のキャラとしては「敗軍の将、兵を語るべからず」で、言わないでおこうというキャラにしたから言わないでいいやってなっているので我慢できていますけど、本当は言いたいことはいっぱいあるんですよ。「こういうアクションもあってこういう感じだったからこれ切りづらかったんだよね」とか「こっちに気配が出ていたからこの牌下ろせなかったんだよ」って、いろいろあるんだけど、それを言ってもしょうがないかなと。
園田 それはもう、人間ができていらっしゃいます。それをぐっと飲み込めるのが。僕はもう、言わないと気が済まないし、誠一さんも言いたいことはたくさんあるんじゃないですか。
近藤 そうですね、どっちかっていうと瀬戸熊さんと似たタイプだと思います。
園田 「多くを語らず、黙って背中を見て」みたいな感じですか。
近藤 勝ったらしゃべったほうがいいと思うんですけど、負けたときはそんなにしゃべらなくていいんじゃないかな、っていうほうが先立つんですよね。
瀬戸熊 ただね、園田さんとかがちゃんと牌理について説明してくれているので、そこからみなさんにだんだん浸透してきて、わかっていただければなという部分もありますけどね。

■近藤「最強戦は短期決戦だからいい」

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