「渡辺太は自分が考えている麻雀の理想像の一つ。鈴木優は対人読みの鬼」鈴木大介プロが男性Mリーガーの麻雀スタイルを真剣考察。【麻雀遊戯グラフ】
Mリーガーが対戦相手を「大胆・慎重」「攻撃・守備」の独自の観点からタイプ別に分析していく「麻雀遊戯グラフ」。今回登場するのは、2023年に将棋棋士との二刀流として麻雀プロになり、BEAST Japanextの一員として活躍する、鈴木大介プロ。将棋棋士ならではの鋭い観察眼は、男性Mリーガーたちをどのように分析しているのか。
(初出youtube「麻雀遊戯王」https://www.youtube.com/watch?v=QP2jGLRWy_k)
――今回グラフを書いていただくのは鈴木大介プロです。大介さんは将棋のプロでもありますので、違う観点からいろいろな人を見ることができますし、これだけ研究する方ですから、Mリーグに参戦する時点でいろいろな方の対局を見ているでしょう、ということで、鈴木大介プロの観点から、他の男性Mリーガーはどういうスタイルの打ち手なのかを教えていただきたいと思います。
大介 私の独断と偏見ですので多井さんからいきますか。多井さんはハッキリ守備型ですね。多井さんはずいぶん昔、MONDO杯に出ている時からずっと見ていて、若いときの多井さんはイケイケだったんですよね。自分が絶対勝つ、今の私みたいな麻雀でした。今は守備型で、おそらく大胆寄りなんでしょうね。慎重と思わせて、結構大胆な手組みをする。
今手に取ったのが、守備型の醍醐さん。醍醐さんは慎重そのものですね。先切りなども多く守備型だと思います。
次、守備型からいきます。滝沢さんですね。滝沢さんも一番慎重なほうで、守備寄りで硬いですよね。たとえば愚形ドラドラ、ファーストテンパイが5〜6巡目に入っても最終形を見てリーチを打たないとか。松ヶ瀬さんも慎重派の守備型です。滝沢さんより守備型ですね。
次は瀬戸熊さん、慎重派です。追い詰められない限り攻めないので、基本は守備ですよね。守備でいけるのだったら守備でいくということで。
内川さんは守備的だと思うけど、大胆な守備ですね。大物手をどこでアガるか、みたいな。
自分の印象だと、親番をすごく大事にして、ワンチャンスを生かして親番で一発でかい手をアガって逃げ切る、みたいな感じ。内川さんが1試合で6回7回とアガるのはあんまり想像がつかないですね。あまりさばき手も使わないので、打点派寄りなんでしょう。
萩原さんも慎重派ですね。萩原さんも手数で勝負ではないですよね。大きい手を決める、内川さん寄りの麻雀だと思います。
バランス型に行きましょう。仲林さんは慎重寄りの攻撃寄りですね。手数が多いです。常にアガる形を求めていて実戦的な麻雀だと思います。打点は基本的にそんなに高くはなく中打点ですね。Mリーグって赤が3枚あるんで、打点がすごい高くなるんですけど、5800とか8000前後のアガリが多いですね。
バランス型、本田さんかな。本田さんは大胆寄りのふわっと麻雀ですよね。「だいたいこんな感じ」ってフォーカスをして、その時の気分でボールを投げる、みたいな。やっぱり打ち慣れています。
麻雀って「これだけが最善」というのは少ないので、「だいたい」って結構大事ですよね。だいたいこれぐらい打ったらいいんじゃないか、だいたいここまで攻めたらいいんじゃないかっていうのが本田さんはすごく優れている。見ていても「あれ?」と思う打牌もあるんだけど、それがたぶん、本人の中で言葉では説明できないと思います。その時の感触で「こっちが良さそう」というので打っていると思うんで、大胆・攻撃型に。
私がMリーガーの中で相当強いと思っている、松本さん。Mリーグを最初から見ていますけど、相当強くなっていると思います。本人はここ(ど真ん中)がいいと思っているんでしょうけど、ここ(ど真ん中の少し上)ですかね。大胆でも慎重でもなく、そこはバランスが取れているんですけど、攻撃力が上がっているのでこの辺り・・・。
また仲林さんと同じく中打点派ですね。手変わりすればハネ満倍満狙えるけど、今のファーストテンパイが8000近くあればそこで打ち止め、リーチをかける。たとえばドラドラあってタンピンが見えるペン3mで先制5巡目であれば、そのままリーチをかける打ち方ですね。。
白鳥さんは超慎重派ですね。超慎重の守備型。手数は少ない。状況を見て、人を使うこと、自分がアガらないでも勝つことを常に考えている。アガリが常に4分の1しかないというのを基本として考えているタイプですね。
渡辺太さん。もしかしたらMリーグで一番麻雀が強いんじゃないかと。BEAST Japanextのチーム内ではすごく評判が高いですね。
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