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「飲み屋をやっている麻雀プロ」だからこそ【文・柚花ゆうり】
「仕事で麻雀をしてないやつはプロじゃない」
5年前、私が麻雀BARを開く時に言われた言葉です。
正直私は共感しました。
当時麻雀BARといわれるようなお店は2店舗ほどありましたが、色物として見てる方も多く、麻雀プロが飲み屋で働いている事を良く思っていない方もたくさんいたでしょう。
そして私もそのうちの1人だったかもしれません。
10年ほど前、日本プロ麻雀協会に入会した私は、当時勤めていた麻雀店の常勤やゲスト活動、番組配信や実況のお仕事でスケジュール帳は埋め尽くされていました。
ほぼ休みなく何年も働きました。
そして薄々思ってはいたけど目を逸らしていた現実。
「麻雀プロって稼げない」
入会して数年の新人プロのお給料は、きっと皆さんが想像するよりもずっと安いものです。
様々な番組も正直交通費程度なもので、無給のお仕事もありました。
ただ新人の私にとっては番組に呼んでもらえる、使ってもらえることは嬉しく、お給料に関係なく声がかかれば積極的に色々なお仕事をさせていただきました。
それらのお仕事は良い経験として、今の柚花ゆうりを作っているものです。
ただ、生活は楽なものではありませんでした。
ゲストや配信で何度も同じ衣装を着るのは少し抵抗があるし、美容院だって月に一回は行きたい。ネイルだってまつ毛エクステだってやりたい。
人前に出るお仕事で身なりに気を遣うことは仕事のうちだと思いますし、年頃の柚花ゆうりはお洒落だってしたいしお客様やファンの方に少しでも可愛い、綺麗だと思われたいのです。
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22歳の頃、新潟の田舎から上京し、一番最初に住んだ和光市のアパートは家賃7万円でした。
麻雀店が多いと噂で聞いていた池袋に近いところにと思い、池袋から二駅だよと不動産屋さんに紹介してもらったのは埼玉県でした。
私の上京ドリームは完全敗北です。
その後はなんとか都内に引っ越しましたが、半地下の日当たりゼロ家賃6万4千円のオートロック無しのボロアパートみたいな所でなんとか生活していました。
幸い私はあまりお金を使うタイプでは無く、食にこだわりも無いので、スーパーでもやしとお肉を買ってきてチンしてポン酢をかけて食べるみたいな貧乏学生並みの食事でした。安くて美味しい。
そんな麻雀プロ生活を送っていたところ、「麻雀BARの店長をやらないか」とお声をかけていただきました。
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