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憂鬱な誕生日【文・長村大】
割引あり
昔は楽しみだった7月も、いつしかおれにとって憂鬱な季節となってしまった。誕生日というやつだ。
もちろん年齢なんてもんはただの数字に過ぎない、ハタチになった途端に大人になるわけでも、還暦になった途端にジジイになるわけでもない。人間は──人間でなくても──徐々に徐々に、しかし確実に変化していく、それだけのことだ。誕生日など、たまさか他の動物より少し賢しい種となった人間が設定したベンチマークに過ぎず、美味しいものを食べた嬉しさや大切な人を失った悲しさのような、本来的な感情とは無関係だ。
めでたいことにしよう、という、ただの決めだ。喜んだり、憂鬱になるほうがおかしいのだ。
誕生日の報告をSNSでしたところ、たくさんの人からお祝いのメッセージをいただくことができた。直接の知り合いだけでなく、ほとんどはお会いしたこともない方々からのものだ。
少し、申し訳なくなる。おれなんて普通の人より多少麻雀ができるだけで、しかも麻雀以外のことは普通の人よりだいぶできないダメ人間である。祝ってもらえるような人間じゃない。
それでも──やっぱり嬉しかったのだ、憂鬱を吹き飛ばすほどに。
応援してくださった皆さまのおかげで、なんてちょっと空々しい感じもするけれど、そういう報告ができるように頑張りたいと思う。
誌面を借りて、ありがとうございます。
ちょっとおもしろい話を読んだ。
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