ケネスと名古屋旅行【文・ヨメス】
先日、家族で名古屋に行ってきた。
関東からほど近いのに、縁がなく、通過しかしたことのなかった名古屋。
少し前に、仲良くしていた友人が名古屋に引っ越したので、そちらを尋ねるついでに、いろいろ回ることにした。
出発当日は、私が仕事だったこともあり、夕方からの発進。
ケネスの運転で名古屋に向かう。
途中、サービスエリアで夕飯を食べることも考慮し、5時間ほどの行程だ。
運転の交代を申し出たりもしたが、最後までケネスが運転を引き受けてくれた。
サービスエリアでは、ひつまぶしを食べたい、と言う小3長男に、早速3800円のひつまぶしセットを買ってあげていた。
ケネスは旅に興奮しているようだった。
この状態で、最後まで大丈夫だろうか。
私の不安は的中した。
無事、目的地まで着き、宿泊地周辺の駐車場に車を停めたケネスは、荷下ろしをすべく、テールゲートを開いた。
その時、積んでいた荷物が雪崩を起こし、地面へと転がり落ちてしまった。
友人への手土産にいたっては、袋から中身が溢れる始末。
ケネスは、定番の舌打ちをしながら、荷物を拾い上げ、手土産も袋の中に戻した。
この時、私は少し嫌な予感がしたが、すでに夜も遅く、子どもたちと荷物をさっさと部屋に移動させたかったこともあり、一旦はスルーした。
宿泊地は、その友人が住むマンションのゲストルームである。
おかげで、かなり旅の予算を抑えることができた。
ロビーでは、ゲストルームを借りてくれた友人が、鍵を準備して待っていてくれた。
部屋まで案内してもらい、感謝を込めて、友人に手土産を渡した。
「つまらないものだけど…」
準備した手土産は、シャインマスカットである。
しかし、友人に手渡しながら、私は違和感を覚えた。
袋の中に、見覚えのないものがある。
なんだこれは!?
私は、渡しかけた袋をひったくるように奪い返し、唖然とする友人を横目に、袋の中身を出した。
「げっ!!」
なんと、それはいくつかの、誰が食べたかもわからない、菓子袋のゴミであった。
「な、なぜこんなものが…なぜ…なぜ…」
このゴミたちに、シャインマスカットの輝かしい姿はすっかり埋もれてしまっている。
そこへケネスが顔をのぞかせて
「え?それ、そちらのうちの子どもに渡すお菓子じゃないの!?」
「はぁ?このゴミが!?」
「あれ?」
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