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「3秒ルールがあだになった」朝倉康心のリーグ戦反省記・第1節


どうしてこんな下手なんだ

昨年降級して迎えたA2リーグ初日。

マイナス60ちょっととそこそこしっかりと負け、また数値以上に負けの内容が個人的に悪かったので僕のXは荒れていた。
負けた直後からその日の深夜、翌日まで反省のようなメンヘラツイートを投稿し続け、おそらく100人くらいにミュートされてしまっただろう。
昔々Mリーグに出ていた時のことを知っている古参麻雀ファンの方は少し懐かしいと思ってくれたかもしれない。


負けると自分の中のミスを全部くらい挙げて自分を「どうしてこんな下手なんだ」と言わないと気が済まない難儀な性格をしている。

昔『麻雀の失敗学』という本を書いたことがあるが、全て自分のミスの実戦譜を取り上げた本だ。こんなのを書くのは後にも先にも僕だけだろう。
往年に人生の失敗学を出版することにならないように今後は清く正しく生きていきたいところである。正しくはなくても多分清くないことはないが。

さて、そんなメンヘラポストを繰り返したのを見て、金本さんから「リーグ戦の反省note書いてくださいよ」と連絡が届いた。
いつものように「いやいや需要無いです誰が落ち目のロートルA2リーガーの戦術note読むんですか」と自虐的なお断りを入れたが、
金本さんもそこはいつものように「売り上げは気にしなくていいから」と退いてくれない。
「それなら」と以前と同じようなやり取りで今回も引き受けることになった。

さて、自己顕示欲強めの前書きがあまり長くなってもしょうがないので、雑な導入だが本題に入ろう。

1半荘目ーー3秒ルール発動

1半荘目にまず一つ大きなミスがあった。
点数に影響がなかったので顕在化はしなかったのだが、自分のなかで結構引きずるミスだったのでその後おそらく永続的にデバフがかかった状態になっていたと思う。
(デバフというのはゲーマー用語で状態異常や能力低下のバッドステータスのこと)

ミスの内容は、

仕掛けた手でオリや回るという判断になった時に、長考するとオリを読まれて隙になる

ということを意識しすぎた結果、まずツモってきたが瞬間で2枚切れであることを判断できず、対子落とし最中の西か何かを河に並べてしまうという小ミス。
対子落としを見せることも隙になるので、ミスったなと思って動揺していたところ、局終盤に完全安牌があるのにを対子落とししてしまった。

最高位戦は「対局が遅い」と言われることも多いが、考えるべきところでしっかり考えて打ちたい僕はこの文化は好意的に見ている。あくまで競技者の視点ではあるが。

ただし、なんでもかんでも自分都合で長考していては隙につながる。特に仕掛けた手のときはデリケートで、少しの間で色んなことを読まれてしまうため、可能であればノータイムに近い打牌をしたい局面は多い。
僕は最近これを個人的に「3秒ルール」と呼んでいる。
最高位戦の対局所作で牌をツモって来てから切るまでに3秒くらいが情報を与えないぎりぎりの秒数で、隙になる局面ではこの3秒以内に切りたいという意味である。
(最高位戦以外の場では2秒ルールだったり1秒ルールだったりするので、郷に入っては郷に従いましょう)

結果、は別に放銃にならなかったし、他の人にも特に影響を与えなかったので何も顕在化はしなかったのだが、僕の心はこのミスがミスを呼ぶ内容の悪さで結構萎えてしまっていた。
幸いにしてその半荘ではそれほど大きなミスにはつながらなかったのだが、因果応報というべきか2半荘目での目を覆いたくなるようなひどい放銃をすることにつながってしまう。

2半荘目ーー渡辺太に痛恨の

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