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恐れ知らず~no fear(仮)01 鈴木優×文・沖中祐也【ZERO】

新たな風

U-NEXT Pirates・鈴木優がデビューして数ヶ月が経つが

「鈴木優の麻雀は見ていて面白い」
「Mリーグに送り込まれた新たな風だ」

というような声をツイッターでよく見る。果たしてそんな優はMリーグでどのような麻雀を打ったのか。そして優の麻雀の特徴は?

外面十段

高い壺でも買わされるんじゃないか…優と話していると一周まわってそんな不安に襲われる。笑顔を絶やさず、相手の目を見て相手の立場になって話す優は、名前の通り本当に優しい男である。「外面十段」は優が照れ隠しで自分に使うフレーズだが、物腰柔らかいインタビューの受け答えを見て一発で虜になったというファンも多い。

no fear

このコラムのタイトルを考えたとき、no fearという優の麻雀にぴったりなフレーズが浮んだ。和訳すると「恐れない」という意味だが、金本編集長に「わかりにくい、没」と一蹴された。他にもたくさんの案があったがどれもしっくりこず、現状タイトル保留のままこの記事を書いている。

本当の恐れ知らずとは

では、優の麻雀が何も恐れずにガンガン押していく麻雀なのか、というとそれは少し違う。私の言う恐れ知らずとは、今までで一番多くの人がみているMリーグという舞台で、チームやスポンサーを背負っている中、常識や批判を恐れずに自分が得だと思う選択を貫き通すという意味である。

アガリトップでの攻防

どういうことか、恐れ知らずの一局を見てもらいたい。

アガリトップで迎えたオーラス、優はここから3sをチーして5sを切った。形はテンパイだがまだ役がない。役牌(西)頼みの仕掛けとなるが、危険牌だらけで形は不安定。
他のMリーガーのほとんどはこの3sを鳴かなさそう。だが西が鳴けた時は当然テンパイしていた方がいい。全員前に出てくる局面なので西の警戒度も低い。そういった意味でこのペン3sを鳴いておく価値はあるのだが、手牌が短くなって怖くはないのか。

「ペン3sは鳴きましたが、ペン3mは鳴かないつもりでした。1mが上家・下家の現物で安全度も高い上、3mは山に残っていそうですからね」
放銃が許されないトップ目においても、優はギリギリの安全を確保しつつ手牌を前に進めていく。そして直後に西が打たれた。

これをポンして何を切るか。常識を問われれば1mを切って2mタンキ、安全度を意識するなら2mを切って1mタンキに受けるべきである。
現状は単騎待ちだが多くのピンズツモで多面待ちになる。4pなんか引いてしまった日には23456pの5メン待ちだ。

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