多井隆晴スペシャルインタビュー Vol.1「勝利で飾ったウイニングラン」
Mリーグ2022-23シーズンは、渋谷ABEMAS悲願の初優勝で幕を閉じた。
ファイナルに進みながら3位に甘んじてきた過去4年間と違い、今シーズンは限りなく優勝を手中に収めた状態で最終戦を戦うこととなった。
締めくくりを任されたのは、ABEMASのエースにして大黒柱・多井隆晴。
彼はどのように、ウイニングランとなる一戦に臨んだのだろうか。
【構成・東川亮】
■リードしているからこそ、勝負師として戦わなければいけないときがある
東1局1本場、多井は47s待ちでリーチをかけた。多井は北家ではあるものの、手の内では一気通貫が完成。ダマテンでも役があるのに、である。
もしここで寿人から高打点の直撃を取られてしまうと、いったんはトップラスの構図を作られてしまう。
なぜ多井は、リスクを負ってリーチに踏み切ったのか。
「まずは自分の手です。寿人選手はトップラス10万点以上が必要という条件がある以上、基本的にはドラを使った高打点の手組みをします。そして、黒沢選手は本来ドラを大切にする打ち手で、勝又選手はソーズを1枚も切っていません。つまりこの47s待ちはダマテンでも簡単に切られる牌ではない、ということです。
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