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君はさる。期待するのは麻雀【文・石田亜沙己】

なにごとも期待するから自分の思っていたものと違った時に幻滅したり、はぁ?ってなったりするものだと思っているので、私は猿に対して普段から期待しないことを意識している。

例えば猿が1日休みで家にいるとする。
私が帰宅した時に少しでも片付いていることを期待したら終わりだ。
でも、もうぶっちゃけそんなことはどうでもいいし、なんとも思わなくなってしまった。

ただ、子供のことだけちゃんとしてくれたらそれ以外は望まないし、外でしっかり勝ってきてくれるなら他のことは仕事しながらだろうが私がやる。

同じ麻雀プロでも環境は変わった。
今まではそれも許せなかった。
私の方が働いている感覚が強かったからか、ストレスがすごかった。

しかしMリーグという私にとっては未知の場所で頑張らなくてはならない猿。
そして、彼を選んでくれたBEAST X。
選んでもらったからにはその企業のためにも、応援してくれているファンの為にも全力で結果を残してほしい。
そのためなら同じ麻雀プロとしても家族としても私にできることはするつもりだ。


ただ、子供のこととオフシーズンの何もない時は少し違う。

私も自身の対局や仕事は大事で、それは仕事が小さい大きいで変わるものではない。
当たり前のことだが自分の対局や仕事には責任を持って取り組んでいる。

先日のリーグ戦の日の事である。
その週と翌週はほとんどが私の仕事で猿は休みだらけだ。
リーグ戦、急遽5人打ちとなり帰宅時間が遅くなった。家に着いたのは22時半。
もちろん次の日、心之助は学校だ。
玄関の扉を開けると裸ん坊の心之助が走ってきた。

「えっ!?しんちゃんどうしたの!?」

「パパがねー寝ちゃって。だから僕1人でお風呂入ろうと思ってお湯いれてたの」

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