「BEASTと雷電、それぞれの敗因と今だから話せる後悔。そして来季勝つために必要なことは?」猿川真寿・本田朋広対談スペシャル企画(2)
近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。Mリーグ2023-24シーズン、BEAST Japanextは7位、TEAM雷電は8位に終わり、共にレギュラーシーズン突破を果たせなかった。その結果は、果たして変えることができたのか。2人が考える敗因や、巻き返しに必要な要素について、今の率直な思いを聞いた。(全3回の2回目/#1、#3へ)
[文・東川亮]
■BEASTに関しては実力不足だった
――昨シーズンはBEAST JapanextもTEAM雷電も、レギュラーシーズンでの敗退となりました。敗因についてはどのように捉えていますか。
猿川 BEASTに関しては、実力不足でしょうね。開幕前のイメージと違っていたところもなくはなかったんですけど、BEAST自体は配牌や展開も含め、どちらかというと上振れだったと思うんですよね。それにも関わらずあの成績というのは、完全に実力不足かなと思っています。
本田 雷電は、自分が勝っていたときにはチームも勝っていたので、昨シーズンも自分が勝っていればチームも負けなかったんじゃないかと思います。そう考えれば、自分が負けたから、ということになるんでしょうね。
――負けている状態で終盤戦に入ると制約がかかって戦いにくくなる、というところはあるのでしょうか。
本田 最下位のチームにも終盤まで勝ち上がりのチャンスがあったことを考えると、下にいたから戦いにくい、制約があったという印象は、今シーズンはそこまで強くなかったです。ただ、「6位でセミファイナルに残っても、そこからファイナルに行けるのか」という思いはあって、でもEX風林火山さんはしっかりファイナルまで残っているので、最終的には下位にいるからどうこうというよりも、まずはセミファイナルに残ることが重要なんだなと、毎年思います。
――今シーズンの中で「こうしておけばよかった」と後悔していることは思い当たりますか。
猿川 僕はあるんですよね。レギュラーシーズンの残り試合が少なくなったタイミングで、連闘を直訴すればよかったかな、と思ったタイミングがありました。勝負どころは最終盤ではなく、その前にあったんじゃないかなと。もちろんそれで勝てたかどうかは分からないですし、自分の性格的にも言えなかったんですけど、そうしたときの結果は知りたいな、というのはあります。
――終盤は条件戦になっていますし、そういう戦いの経験値は、猿川さんがチームで一番あると思います。
猿川 そうですね、ウチは後半戦になればなるほどそこが弱点になりかねないので。チーム状況が良ければ関係ないですけど、悪いとやっぱり、ある程度はやりづらいですね。
本田 さっきも言いましたけど、もっとセミファイナルを見据えて麻雀を打つ必要があったかなと思います。セミファイナルに残ってもファイナルに残れないんじゃ意味がない、と思っている部分があって、その意味で後半は少し大きくいきすぎたなと。
ギリギリでもいいから何としてもセミファイナルに行く、という方針のほうが、自分の中では良かったかなと思いました。
■チーム練習が勉強になるかは分からない
――雷電は萩原さんが忙しくされていますけど、BEASTも大介さんに将棋の対局があって、中田さんも忙しいと思います。お互い、似たような事情を抱えているのでは。
猿川 中田さんはむしろ、Mリーグを最優先に持って来てくれていて、チームでも一番スタジオにいたんですよ。何かの記事だったかで「スタジオに行けば出番が来るかも」と言っていて「そんなふうに思ってくれていたんだ」と驚いた記憶があります。
大介さんや僕も対局がかぶってお休みしたことはありましたけど、基本的にはいつもチームの4人がスタジオにいましたね。
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