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「日本プロ麻雀協会の子供たち」文・須田良規



<Mリーグで協会卓が実現>


記念すべき日、といっていいでしょう。


2024年11月15日(金)、仲林のX上での呼びかけがあり、Mリーグで初めて日本プロ麻雀協会選手4人による戦いが実現しました。

仲林はこういう粋なやつなんですよね。

仲林「協会って一時期マツしかしなかったのに、5人まで増えて・・・。
 今日が唯一今期で協会卓のできる日だったんで。ぜひやりたかったんですよ」

私的な希望といえばそうかもしれません。
もちろん協会ファン以外にはそう重大な出来事でもないでしょう。
何かしらのそしりを一手に担う可能性もあるのに、仲林は声をあげたのです。

松本「まあ盛り上がるのはいいかな、って・・・ウチはちょっとそんなにチーム状況余裕はないですが」
多井「ああいうの、言い出しっぺが負けんだよ。仲林は3着か4着だな。そうでなかったら俺髪を染めるよ」


醍醐「僕が出る予定だったんですけど、仲林が来て、圧がすごくて」
茅森「脅されたね」
元太「堂岐も早くプラスにしたそうですしね」


「そんな誰も別に協会卓なんて気にしてないと思いますよ」
渋川「いえいえ、協会ファン湧いてますよ」
「だとしたら難波ちゃんには譲れないね。僕がいなかったら『なんか違うな・・・』ってなりますよ」
渋川「ならないならない」

そんな感じで、各チーム和やかに、その提案に乗ってくれたようです。

レギュラーシーズンの1/3を消化したこのタイミングというのも、ちょうどよかったかも。
なかなか後半では、こういうエンタメに振った卓組は優先されないですしね。


壮観です。
協会のA1選手のみの卓。

僕もこの人たちと同じリーグだったんですよ、今期まで。(突然の自虐)

さて、ここからはいち協会員として、どのような心境でこの対局を見ていたか、順に振り返ってみます。
先輩風をちょこちょこ吹かしているように見えるかもですが、
カッコ悪さは自覚の上で、正直に記録しておきます。許してね。

<仲林リードで試合は進む>

まず開局は南家仲林のダマテンツモアガリ。
タンピンツモイーペーコードラドラドラ赤のなんと倍満。

これ2345p待ちの4メンチャンなんですよね。
なんでリーチしないの、って思った人もいるかもしれないけど、
まず4メンチャンっていっても並びシャンポン含みで、実際は大した待ちじゃないかも。
山にも4枚しかありませんでした。
ドラが7pと3pでピンズはバカ高、狙いやすい2pも2枚見えてるし、
3sをアンカンしてイーシャンテン目一杯模様の松本くんが2pを切っていることもあり、
仲林は冷静なダマテンです。

松本くんからはピンズなんでも出ますしね。

結局ダマでド高めツモでしたが、ドラ4あって十分高いし、
これはそのダマ選択がいいなぁと思ってました。

東2局は仲林が2600オールのあと、このカン3pリーチ。
場に2枚切れですが親ですしね。畳みかけましょう。

仲林の宣言牌2mをチーして58m待ちテンパイを入れていた松本くんが、6pを持ってきます。
スライドして3pを切ってしまうと、仲林に放銃。
いやーどうする?

<松本くん痛恨の放銃>

正直僕は松本くんなら6pを切るんじゃないかなと思ってたんですよ。
78pが共に3枚見えで69p待ちについてはダブルワンチャンス。
3p絡みの待ちは実際のカン3pペン3pなどの愚形ターツの枚数が残っています。

しかし松本くんは3pを切って放銃。

裏も乗って12000。いてぇ。痛すぎる。
開始前に話していたように、見ている側は楽しい協会卓なんですが、
チームポイント的にABEMASはそう気楽には構えられないんですよね。

松本くんにここの話を後で聞いたんですけど、

「対面の浅井さんがチーテンの手出し8pで、そちらのケアも込みでした。
 仲林さんも通ってない牌たくさんありますし・・・。でも、甘えちゃいましたね」

とのこと。
あーなるほど。
3pは、押してる浅井くんの現物でもあるわけだ。
で、最終手出し8pで、松本くんが6pアンコだから、その8p何かいなと。
78pのペン6pとか、5556pの単騎含みとか。

そんな松本くん痛恨の放銃があって、仲林は6万点オーバーのトップ目。
多井さんは髪を染めそうです。

<松本くんの勝負>

そしてなんやかんやあっての南1局

北家堀ぽよが北ポン発ポンとして、あっという間のマンガンテンパイ。
ホンイツのカン2sですね。

これ全然待ちわかんないですね。
43pといきなり落としてて、ターツ選択の意図はありますけど、
ソーズのホンイツとはとても断定できません。
みんなキツイぞ。

で、11巡目の西家松本くんです。
下家堀くんの仕掛けを受け、現物の4p落としながら対応していたところ。
神目線は24mとか切ればいいかなぁ、なんて呑気な感じですが、
実際25mも全然危ないですね。
4sが3枚見えてて、2sはワンチャンスです。
えーこれ結構2s打ちそうじゃない?

おお4sかよ! カッコいいな。

「ホンイツは結局どっちかわかりませんが、ソーズだとすると下ブロックがありそうで・・・。
 これはもうワンチャンスも何もないので、自分の広い受けで勝負しました」

点棒もないしね。これはめちゃくちゃ頑張った打牌ですわ。

そして松本くんが、堀ぽよの当たり牌2sをアンコにしてリーチ!
行ったぜ! すごいじゃん!

そして堀くんがそのリーチ宣言牌4sで止まりました。
カンチャンでチーして、打1sの待ち変えです。

<堀くん待ち変えの思考>

そんでここがちょっと面白いんですけど、
この4sって松本くんが離して切った連打なんですよね。
堀くんは、同じ待ち変えなんですが、1枚目の4sはチーしていません。

最初の段階では、元々のカン2s待ちが悪くないのと、
先に6sを切っているために、135sで鳴いて打1sとするのが、
1356788sからの待ち変えバレちゃうわけですね。

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