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魔神の父のМリーグ観戦記 2022年11月14日

文・渋川難波の父

平和な我が家

 渋川が初トップを取った後の一週間、我が家は平和であった。

 私が昼寝から目覚めると妻がニコニコして「麻雀日本シリーズ」で息子が決勝戦に進出したことを告げてきた。

「まあ、渋川は調子がいいからなあ。とにかく良かった良かった。ところで後の二人は誰?」

と私が聞くと妻は

「ふふふ」

と笑い

「あなた何も知らないのね」

と上から目線でつぶやき、したり顔で一人ずつ決勝進出者が決まってゆく「麻雀日本シリーズ」のシステムを詳しく教えてくれたのである。

 まことにありがたいことで・・・。

 さらに続いて「麻雀最強戦」の組み合わせまで教えてくれた。

 渋川難波の卓は黒沢さん岡田さん丸山さんだという。

「もうこれってハーレム状態よね」と妻は実に嬉しそうに語ってくるのだ。一体いつどこでそんな情報を仕入れてくるのだろうか。

 まあとにかく、勝ち負けがなければ、と言うより渋川の負けということがなかったら、それ以外の話題は全く問題ないのである。

 私は(そろそろいいだろ。テレビで実況を見ようよ)と言いかけたが、折角の平和を壊してはならぬと、再び先週と同じく自室でこっそりとパソコンで応援するのであった。

 第1戦、サクラナイツはさんの登場。

 これは見ごたえのある試合で、堀さんは4着ではあったものの、その最後までファイティングポーズを崩さない迫力満点の闘牌はさすがであった。

 見終わってトイレに行くと、途中で妻と出会う。

「どうだったの?」
「な,な,なにが・・?」
「Мリーグよ」
「え?」
「堀さんが何着だったか聞いてるのよ‼」
 なんだ、私がこっそり見てること、全部ばれてんじゃないか。

 それにしても渋川の勝負以外のことにはめちゃ詳しいんだね。

 堀さんの登板までちゃんと知ってるんだ。

第2戦渋川難波登場

 第2戦、渋川難波の登場。

 この戦いの渋川はやたらチートイツが多かったが、道中の単騎選択はさすがに見事だと思った。

 まるで彼が監修している「キリンジゲート2」で好評を博したチートイツづくりの場面(画像参照)そのものである。

画像1

 渋川はまず東4局で、3巡目に4pを切っていて7p待ちの5巡目チートイツリーチを敢行する。

スクリーンショット (20)
スクリーンショット (19)
スクリーンショット (21)

 私は最初これは疑問手だと感じた。もっと良い待ちになるまで待つべきだと思ったのだ。

 ただ私は昔渋川に「ドラが一つあってカンチャンでテンパイしたら即リーチだよ」と教えられたことがある。

 その理由を聞いたところ「1シャンテンなら皆押してくるけど2シャンテンなら押しにくいよね。だから一刻も早くリーチだよ」という答が返ってきた。

 その視点でこの局を見ると、リーチするに値する親の適当な待ち牌は、9巡目の1pまで待たなければならない。

 それまで子ども達に伸び伸びと腕を振って牌をさばかせてはいけないのだ。しかもリーチをかければ押しにくくなった者が7pに手をかけることは十分あり得る。

スクリーンショット (18)

 つもっての6000オールはラッキーではあったが、結果論ではないと思う。

 そして圧巻だったのは南1局だ。

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