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「くすぶりを経て、時代に必要とされた麻雀プロへ」多井隆晴・仲林圭対談スペシャル企画(1)

近代麻雀note・Mリーガー対談。今回から始まるスペシャル企画、第1回はMリーグを牽引してきた多井隆晴(渋谷ABEMAS)と、来期より新たにMリーグへ挑む仲林圭(U-NEXT Pirates)に、大いに語り合ってもらった。共に歯に衣着せぬ言動で物議を醸すことも多い2人の、本音トークが炸裂する。(全3回の1回目/#2#3へ)

[文・東川亮]

■時代は移り変わり、Mリーグへ

――ドラフト後、お二人で会って話をされる機会はありましたか。

仲林 ドラフトの次の日くらいに、1回だけ電話でお話しさせていただきました。

多井 仲林が麻雀が強いのは知っているので、「一緒に業界を盛り上げていこう」みたいな話を軽くしました。試合になったら戦いだけど、それ以外は一緒にMリーグや麻雀業界を盛り上げていく共演者なので。

「一緒にもっと麻雀界をよくしていけたらといいね」みたいな話ですよ。連絡をしたのは仲林だけです。渋川(難波)は選ばれて当然だと思っていましたし、鈴木優さんはそれほど交流があったわけではないので。

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――仲林さんは、Mリーグの盛り上がりをどのように見ていましたか。

仲林 Mリーグの前に「RTD(※)」があったじゃないですか。当時は本当に強い人たちが団体の垣根を越えて集まっているガチンコの舞台だと思っていて、元々僕はRTDに憧れていたところがあったんです。

その後にMリーグが発足して、麻雀が一般の方向けのエンターテインメントとして多くの人に認知されていっているのを感じていた中で、昨シーズンの最終戦、あの試合の盛り上がりがものすごくて、そのときに僕も「あの舞台で打ちたいな」って強く思うようになりました。

ゲスト先とかでも、Mリーグ自体の熱量はめちゃくちゃ感じていましたよ。

※RTDリーグ:現Mリーグチェアマン、藤田晋が立ちあげた、トッププロを集めたリーグ戦。現在のMリーグの前身とも言え、多井隆晴をはじめ、後のMリーガーが多数参戦していた。

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――多井さんはRTDの初期から今日に至るまでご活躍されていますが、時代が移り変わっていく中で、業界の変化などを感じるところはありましたか。

多井 時代というか、そのときそのときの立場によって感情や感覚は違うと思います。僕は27年くらいプロをやっていて、タイトルを獲ったこともあれば、業界の表舞台に出られない時期も経験しています。そのときには「いつか世に出たときには麻雀としゃべりで全部ひっくり返してやる」と思っていました。

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