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魔神の父のМリーグ観戦記Ⅲ② 渋川解説の観戦記だ‼ 2024年10月11日

1 久々の渋川解説

10月11日(金)、広島にもやっと秋が来た。今日は妻とお出かけ。帰りに美味しいと評判の「府中焼き」のお好み焼きを買って帰ろう。電話で予約注文。できあがりは17時40分。妻は「大丈夫ね」と呟く。「何が?」と私。「Mリーグの時間によ。今日渋君解説でしょ」。
ほう、ちゃんとチェックしてるんだね。
そうか渋川の試合はダメだけど、解説は居間のテレビで見て良いんだった。その後は渋川の話に。
「ねえねえ渋君って、太ってきてない?健康診断の結果は良くなかったんでしょ。卓球とか、もうしてないのかしら。堀さんはとてもスマートになって。きっと堀さんは凄く努力してるのよ。なのに渋君は・・・・・・」。 

うーん話はまずい方に。私も先日久しぶりに会ったガミ君に、お腹が出てるとからかわれたばかり。しばらく静かに寝たふりしよう。

家に着いて洗濯物を入れたりしてると、ちょうど19時。テレビのスイッチを入れるとMリーグのテーマソングが流れ、小林未沙さんと渋川の姿が現れる。
妻が叫ぶ。

「あっ、渋君スマートになってる。かっこいい‼」。
これはきっと林香さんのおかげだと二人で話すことしきり。

妻・早川林香プロ

そして渋川の挨拶。うん、明るく大きな声。「良い感じだね」と妻に言うと、妻は「渋君は前からこうなのよ」と言いながらも嬉しそう。そしていよいよ対局開始。

渋川上京後、私達夫婦にとって渋川の嬉しいニュースは幾つも有った。「近代麻雀」誌へのコラム連載・「鉄鳴きの麒麟児」の闘牌監修・「魔神の読み」出版・「雀竜王」「日本オープン」制覇、等々。
しかし一番は、「渋川Mリーグの解説に呼ばれる事件」 に始まる渋川のMリーグ解説定例化だ。これは妻が喜んだ。だって滅多に会えない渋川の声と姿が、茶の間に定期的に流れてくるのだから。
そして私も嬉しかった。なぜなら私のことは滅多に褒めない麻雀仲間達が、渋川の解説を「分かりやすい」「おもしろい」と絶賛してくれたからだ。

ただこの渋川解説の高評価、これは決してたまたまではないということは言っておきたい。その裏には渋川の工夫と努力が存在しているのだ。

渋川のnoteに、良い解説の例が出ている。 

例えば、九連宝燈のツモあがりが出たとしましょう。

悪い例
「あー、九連宝燈つもりましたねー」
「すごいねー」

こんな実況解説じゃ、せっかくの九連宝燈も浮かばれません。

良い例
「おおおお!!つ、つもりました!!九連宝燈!!九連宝燈です!!!
和了ると死ぬと言われている伝説の役満がここに降臨!!!はたして生きて帰れるのか!? タクシー、いやハイヤーを呼んでくれ!!ガードマンもつけろ!!死なせるわけにはいかない!今日のヒーローを死なせるわけにはいかない!!!」

これだけ読むと、ただ大げさに騒げばよいのかと思うかもしれないが、そうではない。渋川は実はМリーグの解説を行うにあたって大切な条件を、詳細に考えてきたのだ。その努力は称賛に価する。それが次の4項目

その1. 対局者になりきる

その2. 解説者は、否定から入らない

その3. 見ている人がいると意識する

その4. 見ている人を退屈させないようにする


この4つ、まとめれば「相手の立場に立って考える」ということ。これは麻雀だけじゃなく、、演劇・小論文・接客・面接試験・建築、等々等々、ありとあらゆることに繋がる真理だ。
しかもこれ、考えるだけでも大変だが、実際に行動に移すことは更に難しい。渋川は麻雀解説でそれに挑戦し、成功をおさめた。前述の「良い例」は、この鉄則を踏まえたもの。ただの大騒ぎではないのだ。

2 Мリーグ第一試合(10/11)(実況・小林未沙、解説・渋川難波)

この対局、何と個性的なメンバーが揃ったものか。黒沢咲さん・竹内元太さん・小林剛さん、鈴木大介さん。ワクワクするよ。どんな展開になったか、特に渋川解説に注目しながら追ってゆこう。

渋川、試合中要所要所で「何を切る」を予測。毎回ちゃんとその根拠を教えてくれる。もちろん当たりはずれは有るが、見ている方は状況が良く分かって面白い。ずばり当たると妻は喜ぶ。

これ、東1局7巡目 ドラ白、親の黒沢さんの手牌。

渋川即座に「牌効率は4マン。でも黒沢さんなら9ピン」って。
黒沢さん 打 9ピン。やるなあ渋川。

渋川、東2局(ドラ發)でも冴える。

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