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練習会【文・佐々木寿人】

 今期から、チーム内での練習機会が増えた。
 昨シーズンまでは、各々がそれぞれに調整して実戦に臨むことが多かったが、それではやはりチームとしての統制が取り辛く、様々なケースに対応するのが難しい。
 例えば、相手からダブルリーチが掛かり、何も安全牌がなかったとしよう。
 それでも何かを搾り出さねばならないわけだが、今までなら個人個人の選択に委ねていたところを、チームとして方針を打ち出す。
 そうすれば仮に放銃になったにせよ、その選手のダメージも少なくて済むし、チーム全体が前を向いて進めることにもなる。
 一回目の練習会後に、ちょうどそんなシーンがあった。
 セガサミーフェニックス元太選手のダブルリーチに対し、親の高宮まりが3巡目に以下の手牌から東で跳満を打ち上げたのだ。

 元太選手の手牌は七対子で、裏ドラが二枚乗った。

 高宮の捨て牌は、⑨發東 だったのだが、元太選手がツモ切りリーチだったことをふまえると、2巡目の捨て牌は被った⑨が良かったように思えるし、3巡目も手の内に二枚ある九切りがベストのように思えた。
 終わった直後、その事を高宮に伝えた。
 本人も九切りが脳裏に宿ったと言う。
 だが結局は、これも私がいつか口にした「本当に困ったときは字牌切りだよ」という言葉が勝ってしまったそうだ。
 これを聞き、私は戦い方に対するコミュニケーションをもっと密に取らなければと思ったし、自身の言葉足らずを深く反省した。

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