3か月フリー雀荘で食った男【ドキュメントM】
片岡信也さん(仮名・29歳)の主戦場は歌舞伎町。
地元での仕事を辞め、「麻雀で稼いで生きる」ということを目的に上京して以来、オンレートの東風戦にどっぷり浸かっている。クリーン化、ノーレート化がトレンドと言える麻雀業界に逆行し、あえて賭け麻雀に全力で挑もうとする若者に、その思いを聞いた。
3か月歌舞伎町に入りびたり
「麻雀が大好き」「麻雀三昧の生活がしたい」という人は多いが、実際に、他の仕事も遊びもしないで3か月間、麻雀だけに特化した生活を送ったことのある人がどれだけいるだろうか。
片岡信也さんは、そんな生活を送ったことがある。場所は新宿の歌舞伎町だ。
「25歳のときに仕事を辞め、両親に『東京に行って、しばらく帰らないかもしれない』と言って故郷を出て、歌舞伎町に来ました。歌舞伎町一番街の入り口からすぐのカプセルホテルを月極で契約し、ひたすらピンの東風戦の店に通いました。
まず、朝10時にQ店に行きます。ここでは朝10時に五勝戦が始まり、一番早く五勝すると店から2万円もらえます。
これを取ると、ゲーム代を払っても勝てると思いました。10時には平均してメンバーが2人入って2卓立っているという状態で、実質6人で争う形になります。実際、6分の1くらいは勝てました。
五勝戦が終わると、昼ご飯を食べるためにいったん外に出て、G店やD店など、他の店に行くか、Q店に戻ることもありました。そこから夜の10時ぐらいまで打ってました」
1日平均12時間、10時から22時までひたすら東風戦を打つだけの生活だ。
「調子がよかったら朝まで打つこともありましたよ。麻雀に勝つためには、弱い人と打つことは大事で、『弱い人がいたらたくさん打つ』というのは戦術のひとつです。僕がずっと打ちたいのは、明らかに損な選択をする人です。具体的には、リーチして当然の手をダマにする人とか、オーラスに2着やめするべきところでやめない人を見つけた時です。帰ろうと思って入り口付近で弱いマダムとすれ違った時は、買い物に行った振りをしてすぐに戻ってきて、マダムと打ちました。この人は1回来ると平均5万円くらい落としてくれるので延長する価値がありました。一度、マダムに噴かれて一晩で10万円負けたこともありましたけど。延長して朝方になっても、翌朝10時のQ店の五勝戦には必ず参加できるように休息を取り、規則正しく生活していました」
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