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不調期の家の様子は【文・石田亜沙己】

ちょうど金本さんからキンマの締め切りの連絡がくる2日前に、猿が「そういや、原稿の連絡こないから終わったか?」と言い出した。
私は「終わったかもね、我々のは特に面白いことあんまりないし」と答えた。

その2日後、金本さんから締め切りの連絡がきた。

「石田さんはMリーグでの不調を見ての家族の応援風景などを教えて欲しいです。負けて帰った時の猿川さんの様子なども知りたい」

ふむ。困った。
なぜかというと特に変わったところがなにもないからだ。

家族の応援風景はというと、小学2年生になる心之助は最近麻雀を少しずつ覚えているので文句しか言わない。猿が放銃すると「なんであの人、鳴くんだよー!そしたらこっちが放銃だったのに!」とかそれらしいことを言ってヤジを飛ばす。

母、なんとも答えられず。

そして2回ほどリーチ後の放銃が続くと、それまでリーチや聴牌のたびに「パーパ!パーパ!」と大声でコールをしていたのをパタリとやめ、ゲームを始める。笑

どうやら諦めの早さは父親譲りのようだ。

続きを観ていても勝つ保証はない。だから母は、心之助に観よう!とは言えない。
どんなにその人らしく良く打てていたとしても負ける時は負ける。それが続くとこっちもがっくしくる。
さらに言えば不調なのかどうなのかもわからない。

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