【無料記事】選ばれなかった女たち続報④「中国人っぽくってどうすればいいの!」
日曜日の昼下がり、私は待ち合わせ時間より30分早めに新橋に到着した。
日差しが眩しく暖かい。ジャケットがいらなくなるのももうすぐかしら。新橋のエクセルシオールでパスタとコーヒーを注文し、打ち合わせ前に食べてしまおうと思った。
席取った旨を連絡すると夏川プロも李佳プロも「すぐ向かいます!」と返信をくれて、L字のテーブルの角に3人が集まった。
いつも通りパワポの資料をお見せしながら、特集を具体的にどんな感じで作ろうとしているか、私がこの企画に対して考えていることをご説明した。
以前の記事でも書いたかもしれないが、noteはサムネイルが重要だと思っている。
先日大変話題になった角谷プロの「おっぱいnote」を読まれた方も沢山いらっしゃると思うが、あのサムネイルの破壊力は凄まじかった。サムネイルがいかに重要であるかは、あの記事で読者の皆様も「完全に理解」されたのではないだろうか。
まずはサムネやタイトルで興味を引いて「読んでみようかな」「これなんだ?」と思って記事のリンクをタップしてもらえなければ話にならない。
加えて今回の企画はそもそも「読者の皆さんを楽しませるエンタメ」というよりかは「参加者が自分をプレゼンする自主制作」の側面が強いので、興味のない方からするとつまらないモノになってしまう恐れがある(もうなっている方もいるかもしれないが)
※当企画ではサムネイルを「目元のドアップ」にする予定であり、おっぱいサムネを作る予定はありません
飯「李佳ちゃんは記事かくの凄く苦労すると思うから(過去のやり取りから思ったこと)、私たちも全力でフォローするけど、基本そのままでも良いかな〜って思ってる」
李「私も自分でnote書いたりするんだけど、たまに言われることがあって、日本人っぽくない言葉遣いが好きって言われるんですよね」
飯・夏「あ〜〜〜!」
李「だからそのままの方がいいのかな〜」
飯「ちなみに中国に住んでる人たちってnoteって読むことできるのかな?」
李「見れる見れる」
飯「じゃあさあ、中国語と日本語両方載せる?」
李「あーいいですね」
実際の特集記事がどうなるかは、これからの制作次第でもあるし、金本編集長とも相談する必要があるが、すごく面白い試みになりそう!という予感がしてきた。
飯「私はこの企画を通して、写真やデザインでエモさとかキッチュさとか今っぽさとかも表現したいと思ってるんだよね。例え話をするなら、タバコ。今までタバコは吸ってる人が沢山いて、健康にも悪いし、ダークなイメージだった。だから禁煙も進んで、電子タバコも流行ってる。だからなのか、今の大学生の中では【電子より紙の方がカッコよくね!?】というイメージに変化してきてるんだよね」
李「めっちゃわかる 笑 私は匂いとか全然ダメなんだけど、見る分にはぜったい紙の方がかっこいい 笑 私は自分のことを【型にハマることができない】人だと思ってて。流行ってるメイク、流行ってるファッションにハマることができない、【大勢が好きそうな人】になれない。まるで積み木の収納箱に、【型が違うからしまえない】私って変なのかな?って思う。でも自由に表現して良いってことだったので、この企画最初からすごくいいなって思った」
李佳プロは22歳の美大生である。自分が30代になってから、20代の方とじっくり話す機会は少ない。しかも麻雀をしていると、女性自体が少ない。若い女性のリアルな意見が聞けて、共感してもらえたことに心底ホッとした。
李佳プロの言っていることは、彼女自身の根源的な部分を表す話だ。世の中のスタンダードにフィット出来ない自分のことを誤って悪く捉えてしまう。本当は「スタンダードが合わない人」なだけであって、それ以上でも以下でもない。ましてや悪いことなんて全くない。李佳プロの趣向や、経験、価値観に、少しだけ自分を重ね合わせてしまう。
というか改めて、当たり前のように日本語で聞いて理解してくれているが、李佳プロは中国出身で中国で育った人である。すごい…。
ちなみに日本語を覚えるきっかけとなったゲームは「逆転裁判」だという。発売されて一刻も早くプレイしたいが日本語訳されていなくて、待てない!と勉強されたそう。作品が人を動かすパワーは本当にすごい。ちなみに逆転裁判はめっちゃ面白いゲームなので、ゲーム好きで未プレイの方はぜひやってみてほしい。
飯「何かすごく好きなものってある?」
李「…スーツが好きなんですよ、ほんとに(迫真)元々はスーツが似合う男性が好きだったんだけど、周りにいなくて。じゃあ私自分で着ればいいじゃないって思って。自分が着るようになって、私カッコよくない?って 笑」
飯「あー!あの宣材写真マジかっこいいよねー!」
李「スーツ好きだったり男装もたまにしたりする。カッコ良い男性が好きだから、自分もカッコよくなりたい。これはあんまり喋ったことないかも」
飯「いい〜とっかかりが見つかりましたね」
私はこの企画に李佳プロが参加してくれなかったら、こういう話は一生知らないままだったかもしれない。
「知りたい」という姿勢でお話を伺うと、ちゃんと【個性の氷山】が出てくる。あとから教えてくれたことだが、李佳プロはメンズスーツのお店でオーダースーツを作ったことがあるそう。ものすごくこだわりがあることが判明した。
飯「私も普段はテキトーだけど、本当はかっこいい感じの格好したいんだよね!そういう自分のスタイルとかって、突き詰めて考えていくと自分の人間性の根幹に関わることなのかなって思うんだよね。自分にとっては当たり前のことだからわかりにくいんだけど、他人からするとへー!そういう人もいるんだねー!ってきっとなる」
私もあまり話したことがないが、子供の頃は親の意向で髪が長く三つ編みをされていた(記憶はない)。自我が芽生えてからはずっとベリーショートにしていた。「女の子なんじゃけぇ可愛くせんといけんじゃろ」と祖父に言われた事があるのだが、それが心底嫌だった。
他人にあたかも「ワシの言うことは正しい、そのように自分を変えろ」とでも言うように、物を言われることがとても不愉快だった。その影響かはわからないが、いわゆる少女趣味的なこと、可愛らしい服装、女の子向けの漫画やアニメ等、どれも好きになる事はなかった。小学校6年間スカートが嫌いでいつも体操服を着ていた。でも私は男性になりたかったわけではなかった。あくまでもありのままでいたかっただけなのだと思う。自分のこういった経験から、「見た目に対するこだわり」には人間性が現れているのではないかと思う。
李「私はオタクでもあって、作品の中で好きなキャラクターを見つけるとそのキャラクターに近づきたくなる。例えば生徒会長で、メガネで知的なキャラを好きになると、自分もそういう人になろうとして、努力しようとしてたくさん本を読んだりする。自分の人生において重大な影響を与えてるなって思う」
夏「お正月番組で着てた漢服めっちゃよかったですよね」
李「あれは今の中国人が着ている伝統的な服」
飯「質問したいです!中国って日本よりも麻雀が日常的にあると思うんだけど、麻雀のエンタメってあるんですか?」
李「あるんですよー。大学生の麻雀大会とかありますよ。日本でいうところの東大と京大の対決みたいな。放送もありますよ。Mリーグほど見ている人は多くないかもしれないけど一定数います」
飯「中国には麻雀プロっているの?」
李「うーん…もしかしたら中国麻雀のプロっているのかもしれないけど…私は全然詳しくないです。今中国では囲碁が流行ってて、囲碁プロの方が有名です」
飯「ほえ〜〜〜全然知らなかった〜〜〜〜。私も含めてだけど、他国に対するイメージって全然アップデートされてないと思うんよね。この企画に照らし合わせて考えるとするなら”今の中国人ってこうなんです!”って、自分の中から出てくることで表現するのがいいかもしれないなって思いました」
李「中国にも日本の麻雀が好きという人が一定数いるんですよね。若い人を中心に。いつか放送対局を中国語で実況できるようになりたいです」
飯・夏「めっちゃ良い〜〜〜〜!!!!」
日本語は他国の人々からすると難しい言語だと聞く。中国語も習得するのが非常に難しい言語だという。私も含めて日本人の中には「外国語が全然わからない」という人が沢山いると思うが、だからと言って他国の人々を排除したいとか、仲良くなりたくないとか、そういうわけでは全くない。いつか麻雀を通して中国の方々と楽しく麻雀で交流できたらとっても素敵なことだと思う。まさに「打牌で語り合う」である。
李佳プロの話してくれる中国の話が面白すぎて、このままでは永遠に話が終わらないかと思った。
記事も永遠に終われなくなってしまうので、面白かった話を箇条書きにして記載させていただく。
李佳プロは中国に麻雀の発信をしたい
新・中国式というファッション(日本でいうところの和風〇〇)が流行っている
李佳プロの実家はお茶屋さん
若い人はやっぱタピオカ好き
日本ではワンホンメイクが流行っているが、中国では地雷メイクが流行っている
李佳ちゃんはコスプレするとめっちゃ化ける
FFのドマ式麻雀は世界中で大人気
中国と日本は似てるなと思うことがある
麻雀で中国と日本が交流できたら嬉しい
李佳プロが中国で雀荘ゲストやった時、点数申告を日本語でしたけどみんな理解できていた
連盟チャンネルの登録をしている中国人は沢山いる
中国ではオフィス仕事の時はメイクしない人も結構いる
中国で日本の麻雀番組は大人気
つづく
文・飯盛裕美子
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