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杉山安澄の場合【文・和泉由希子】

とある知り合いから連絡が来た。

『noteのダメンズシリーズって、まだやってますか? 紹介したい女流がいるんですけど』

わざわざ推薦してくるくらいだから、これは期待できるなと思った。
こうして現れたのが、最高位戦の杉山安澄である。

彼女を知らない方もいるのと思うので、基本的なプロフィールを載せておこう。

最高位戦47期前期に入会。
静岡県静岡市出身。
1997年7月20日生まれのA型。

まだプロになって3年目の新人さんである。
友人達がオンライン麻雀をやっており、そのグループラインに勝手に追加されてた事がキッカケで麻雀を覚えた。

取材当日、待ち合わせの居酒屋に早く着きすぎた私は、一人で酒を飲んでいた。
そこへ急ぎ足で入店してきた彼女を見て、『あ、メンヘラっぽい女が来たなー』と思った。

「それ、よく言われるんですけど(笑)私は別にメンヘラじゃないんですよー!病気の影響で痩せちゃっただけなんです。むしろ元彼の方がメンヘラでしたよ」

病気の話と元彼の話。両方聞かせて頂いたが、時系列的に、病気の話から書こう。

「大学入ってしばらく経った頃から、なんか全てのやる気が起きなくなっちゃったんですよ。朝も全然起きれないし、ご飯も食べたくないし。気持ちでどうにかなるとか、そんなレベルじゃなくて、ほんとに動けないんです。
んで、叔母が心配して心療内科に連れてってくれて、最初は抑うつって診断されたんですけど。貰った薬飲んでても、全然良くならなくて。
今度は別の内科で血液検査してみたんですね。
そしたら、コルチゾールっていうホルモンが全く分泌されてない事が分かって」

Google先生に聞いてみた所、「生命を維持する為に欠かせないホルモン」と書かれていた。
抗ストレス作用があり、朝起きて活動するとか、元気に生きる為の核となるホルモンらしい。

「んで、大きい病院にうつされて、そこでいろいろ検査して、最終的にACTH単独欠損症っていう病気だと分かったんです。10万人に5人とかの珍しい病気で、国の指定難病にもなってます。だから私、難病手帳も持ってますよ!」

めちゃくちゃ大変やん!
気軽に聞いてた事が申し訳なくなってしまった。

「完治は難しいので、薬飲んで上手く付き合ってくしか無いんですけど。検査やら入院やらで、当時は毎月10万〜30万くらいかかってました。
その中でもITT検査ってのがめっちゃ辛くて!インスリンを投与して、わざと低血糖の状態にするんです。吐き気とか熱っぽい感じとか手足の痺れとか呼吸が苦しくなったりとか。辛すぎて意識が薄れてく感じでした」

・・・なんと反応すればいいか、分からなくなってしまった。
可哀想って言っていいのか。

「すみません、重くなっちゃいましたね。」

いやいや、話してくれてありがとう!
ってかコレ、書いていいのかな?

「今のとこ、お客さんとかには話してないんですけど。いつかは発表しようと思ってた事なんで大丈夫です!」

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