彼氏が警察につかまった女流プロ【文・和泉由希子】3
「初めまして!最高位戦の、雅美です。」
少々、意外であった。
私の勝手な見解であるが、ダメンズ好きは連盟や協会に多く、最高位戦の女はそうでもないイメージ。
あんな細かいルールやマナーに縛られて麻雀が打てるのは、根が真面目でしっかりしてる子が多いんだろうと思う。
実際、ラインのやり取りも返信が早く、言葉遣いも丁寧であった。
仕事について聞いた所、ネゴシエーションがどうとかよく分からない横文字が沢山出てきたので、きっと頭が良くて、仕事出来る女なんだろうなと思った。
〜〜〜
「二十歳の誕生日の時の話なんですけど。
当時の彼氏が、お祝いに美味しいお酒飲もうよって言ってくれて。ちょっと良いレストランを予約してくれたんですよ。」
素晴らしい。
二十歳の誕生日は特別なものだ。
「待ち合わせ場所で待ってたんですけど、全然来ないんですよ。連絡も取れなくて。
事故にでもあったんじゃないかと心配で。」
一時間が経過した頃、見知らぬ番号から電話がかかってきた。
『警察ですけど。◯◯さんを現行犯で逮捕しました。』
は???
身元引受人が必要だと言われたので、とりあえず訳もわからず警察署に向かった。
行ってみると、間違いなく彼が捕まっていた。
『ブックオフで万引きして、警備員に見つかったようです。』
万引き!? 良い大人が!?
しかもブックオフって何だよ!古本屋だぞ!買えるだろ!
と思ったが、黙っていた。
『まぁ初犯ですし。身元引受人も来てくれたので、今回は帰ってもいいですよ。』
すみません。ありがとうございます。。。
『あれ!? あなた若いね。何歳? 成人でないと、身元引受人にはなれないんだけど』
二十歳です!今日誕生日で、ハタチになりました!!
『おー!! お姉さん、ラッキーだったね!
昨日だとダメだったわw ツイてるね!』
なんだか分からないが、警察官に笑われて終わった。
大切な二十歳の誕生日は、ろくでもないトラウマになった。
〜〜〜
大変失礼だが、私も笑ってしまった🤣
ダメンズ話を聞いてると、こちらもグッタリしてしまう事が多いのだが、これはなかなか面白い。
ブックオフなのも良いし、20歳の誕生日だからこそネタになるw
〜〜〜
「トラウマといえば、もう一個あって。」
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