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醍醐大の孤高の一打vol.6~よりアガリやすい待ちを作る意識~【文・成田裕和】
「自分は人が驚くような打牌をすることが多いが、そこには必ず理由がある」と語る、セガサミーフェニックス『孤高の探究者』醍醐大。本企画では、彼のオリジナリティーあふれる一打の思考に迫る。
実力者としてMリーグに参戦した醍醐は、一時期こそ個人スコア最下位と苦戦したものの、シーズンが中盤に差し掛かるにつれてトップや2着を積み重ね、1月終了時点ではプラスマイナスゼロ付近までポイントを戻してきている。
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「チームは最下位となっていますが、十分逆転もありえるポイント状況なので、全く落ち込んではいません。淡々とやるだけです」
先日、醍醐が自身で書いたnoteは大きな反響を呼んだ。それだけ今期新加入した醍醐への期待や視線は計り知れないものなのだろう。
大トップの2勝目もさることながら、持ち味の素点を守ってマイナスを最小限に抑える技術も光る打ち回しが多い。
今回はMリーグ自身17戦目となった1/18(木)第2試合(たろう・醍醐・内川・伊達)の試合から、反響の大きかったあの1局を振り返る。(取材・構成:成田裕和)
テンパイを取らない選択
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南3局1本場、醍醐は下家の内川から出た發をポン。点数状況的にも3着目の内川の親をサッと落とし、トップ目に立つ伊達に対する逆転条件を緩和してオーラスに向かいたいところだ。3sを切ってペン3p待ちのテンパイを取るかと思われたが…?
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ここは1pを切り、テンパイを外す選択を取る。
「この選択について、ABEMAのコメントなどでは『ポンしてテンパイを取らないのは意味がわからない』『なぜテンパイを外すのか?』などというコメントがありました。実際にこのあと、ペン3pでアガれていたルートもあっただけに見栄えは悪くなりましたよね。
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この手であればテンパイを取る人が多そうですが、もちろんそうしなかった選択にも理由があります。まず、コメントでもあった『テンパイを取らないなら發ポンはしないのではないか』についてからお話しします」
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