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特別対談/土田浩翔×朝倉康心②「Mリーグの課題は時間と出場機会」

特別対談「土田浩翔×朝倉康心」
Mリーグから最高位戦の現在、解説論、そして麻雀界の未来について


■「河を触るな」一流プロに求める姿と時間

-最近のMリーグについて、気になることはありますか。
 
土田 長考するときの姿勢がよくないことです。一般の人が見ていて、カッコ良くは見えない。将棋の棋士が長考しているときの姿勢と違うので、そこは改善したほうがいいんじゃないかと思います。
 
朝倉 寿人さんの長考はカッコ良かった、ということでいいですか。微動だにせず。

佐々木寿人

土田 寿人は手を下げないからね。みんな下げちゃうんですよ。下げて腕を組んだり、女性は顔を触ったり、これは全然ダメですね。対局中は、自分の番では利き手を下げない、ツモってきて牌を置いて考える静止姿勢でいるのがきれいだと思います。それだけでも時間はかなり違いますし、印象も変わりますよ。
あとは、河を触るのはよくない。

無駄な動作が多い人が結構いるなと感じます。

土田浩翔

 
朝倉 それを悪いとすら思っていない人が多いと思います。河を触るのはともかく、長考で姿勢が崩れるのがよくないとかは僕も思っていなかったですし。
 
土田 体が動くんだよね。静止していたほうが、カメラ的にはカッコいいと思います。
 
朝倉 僕もコンディションによるんですよね。すごくコンディションがいいときはピタッと止まりますけど。
 
土田 コンディションも出ますよね。人間だからしょうがないですけど。あと、長考は1ゲームに1回か2回にしてほしいです。見ているほうが間延びしちゃって、見るのをやめちゃいますよ、たいがい。
僕もたまにあきれてしまって、「それ切るのに考えてたの?」って言いたくなるくらいのときはしゃべらないです。意外性のある牌を選ぶと「ほーっ」と言いますけど。
 
朝倉 意外性のある手を考えてやめた、ということなら紙一重じゃないですか。
 
土田 考えていないですよね。

麻雀プロたちは麻雀の能力も高めていかないといけないと思います。情報処理能力っていうのかな。断言してもいいですけど、再確認する必要がないゲームなので、それくらい確認しておいてほしい。二流のプロはいいんですよ。でも、一流は状況が一目見て分かるはずで、一打一打の変化についていけなければ一流ではないでしょ、と言いたいです。「手出ししたから」と言われても、それが想定内でないなら、僕は一流ではないと思います。一流半以下のプロならともかく、一流には厳しいですよ。
 
朝倉 長考を全部肯定するわけではないですけど、超強い人でも長考することが結構あるゲームだと、僕は思います。深く読もうとしているとか。
 
土田 なぜ早く深く読めないの?一巡で深まるくらいの量の情報が出てくるのかが分からない。

朝倉康心

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