25%を26%にするよりも、75%をどうするかを考えよう(文・井出洋介)
私も若い頃は、今よりも遥かに攻めっ気が強かった。
まだ私が学生のとき、麻雀雑誌で「攻めの小島、守りの大隈」と銘打って小島武夫さんと大隈秀夫さんを煽った対局企画があったのだが、当時は断然、小島支持派だった。
その後、競技麻雀に出会い、古川凱章さんが主宰する年間順位戦に参加して、やっと守りの重要性に気がついた。それからは攻めと守りのバランスを大事にする雀風になっていくのだが、今から思えばまだまだ攻めのほうにバランスが偏っていた。
連載していた麻雀コラムのタイトルにも「アガリへの道」と付けて、どう打っていればアガリの道があったかを必死に追い求めていた時期もあった。
しかし、あるときから、麻雀は4人のゲームであり、どんなに頑張っても1人がアガリ続けることはできないという”ごく当たり前”の真実に真正面から向き合うようになる。
1局でアガれるのは4人のうち1人だけ。流局もあるので、単純に考えればアガリの確率は25%にも満たない。75%以上が結果としてはアガれない局になる。
75%以上って言ったら、大部分と言ってもいいだろう。大部分はアガれない局なのだから、実は結果的にアガれなかった75%の局にどう打ったかのほうが重要なのではないかと思うようになったのだ。
アガリの精度を上げることも大事だが、それはせいぜい25%程度のこと。それよりも3倍も多いアガれない局でどう失点を少なくするかを考える。
まず、無駄な放銃を避けること、無駄なリーチ棒を出さないこと、もったいないノーテン罰符を払わないこと、他家のアガリを誘発するような牌を食わせないこと。そして、そのためにはどうしたら良いかを、色々な試行錯誤を積み重ねながら考えていったのだ。
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