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「『帰ったら絶対怒られるな』本田朋広の勝利を呼び込む積極的な鳴きの姿勢、そして瀬戸熊直樹が初めて口にした大いなる目標とは」瀬戸熊直樹・本田朋広対談スペシャル企画(3)

近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。全3回でお届けする瀬戸熊直樹・本田朋広の対談は、今回がラストとなる。新しいシーズンを戦っていく中での感触は? そして今後の戦いはどうか。瀬戸熊は、これまでに口にしたことがなかったという、大いなる目標を語った。(全3回の3回目/#1#2へ)
[文・東川亮]

■本田「僕はいつもピリピリしながらやっている」

――今シーズンの序盤、TEAM雷電は中位から上位を伺うポジションで進んできています。ここまでについてはいかがでしょうか。
 
瀬戸熊 悪くないというか、ウチとしては上々のスタートじゃないですかね。雷電を応援してくれている人たちはよく知っていると思いますけど、レギュラーシーズンはとにかく下位でしか戦ってきていませんでしたから。昨シーズンは本田の活躍もあって300近くまでプラスしたこともありましたけど、それも1ヵ月で溶けましたし。

 ただ、やっぱりプラスのゾーンにいることが、チームの精神安定になると思います。それによってある程度ローテーションで選手をまわしていけますし、現状はみんながルーティンを守りやすい状況になっているので、これはいいことかなと僕は思いますね。

本田 今シーズンはチーム全体であまりラスを引いていないのがいいと思います。でも、僕個人としては他のチームメートがやらない鳴きやリーチをよくするので、それで結果を出さないといけない、というプレッシャーがあります。

 チーム状況が良かったり、成績が安定したりしていても、自分はいつもピリピリしながらやっていますね。

瀬戸熊 ピリピリしてることあるの?
 
本田 というか、ドキドキしますよね。
 
瀬戸熊 ドキドキとピリピリは違うよね
 
本田 そうなんですけど、成績が出ているから雰囲気も良くて明るい、というわけではないですね、僕は。
 
瀬戸熊 色々考えてるんだね、本田なりに。
 
本田  僕はすごく深いですよ。
 
瀬戸熊 深いの?(笑)
 
本田 だいぶ考えは深いですね。
 
瀬戸熊 じゃあ、その深い本田を出していかないと。
 
本田 めちゃくちゃ出してますよ。1年目とかは仕掛けるか仕掛けないかについて「チームもこんな感じだよな。ファンも望むよな」みたいなことを考えてやっていましたけど、今はもう、ひとまず鳴くわけじゃないですか。体の感覚的に鳴いたほうが勝てるっていうイメージのもとで動くわけなんですけど、鳴いてから「これ失敗したら怒られるぞ」とか思いながら、自分の中ではピリピリしながらやってますよ。

瀬戸熊 それはあんまり深くはないよね。内心で葛藤してるって話でしょ。いつも通りやったほうがいいよ。
 
本田 僕は、落ち着けるタイミングはないですね。
 
瀬戸熊 でも、鳴いたほうが安心するでしょ、精神的には。
 
本田 鳴いたほうが安心するというか、鳴いたほうが、試合が終わってから自分に後悔がないです。

■戦う姿勢が勝利を呼び込む?

瀬戸熊 声かけられるものには声かけたほうがいいということね。3pチーとか。

9月25日第1試合、東3局2本場。カン3pチーから動いて三色を狙うも形になる前にリーチを受け、2軒リーチに手詰まって放銃した。

本田 3pチーはやりすぎました。あのままいってもアガリがなくて、供託いっぱいで取られたくなくて、そこそこオリきれる自信もあったんですけど、2軒リーチになって安パイに詰まって放銃して、「これ、帰ったら絶対怒られるな」と思いました。
 
瀬戸熊 勝ったじゃん、あの試合。あの3pチーが勝因だなと思う? そう思えるか、思えないか。
 
本田 ポジティブにはそう感じてますよ。
 
瀬戸熊 あれがあったからトップ取ったみたいな?
 
本田 あれがあったというか、試合の流れの一つとしてああいうところで動くことによって、麻雀牌の積まれ方が違うとか、自分の戦った姿勢が今後に残るっていう自分の中での持論のようなものが、あったりなかったりしますね。

瀬戸熊 3pチーで放銃したことは戦った姿勢につながるの?
 
本田 あれはただのミスです。
 
瀬戸熊 その理論で言うと、やっちまった牌が次の局とかにどんどん積まれていくわけじゃない。あれが無放銃で終わっているとかだと分かるんだけど、放銃フィニッシュで、最後のトップにつながっていくわけじゃん。それが僕だったら消化できない。
 
本田 そこは難しいんですよね。伝わらないとは思うんですけど、仕掛けて上手くいった時の称賛より、仕掛けて失敗したときに叩かれることのほうが大きいというか。

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