石橋伸洋、再起への道【7】 最強戦初戦敗退。後悔しなければいけない1局
構成・東川亮
石橋伸洋は、10月16日に行われた麻雀最強戦2022「男子プロ王者の帰還」に出場。予選A卓では4名中最多の支持を集めたが、いいところなく敗れた。石橋自身が「後悔しなければいけない」と振り返る、痛恨の1局とは。
■明確に横たわっていた差
石橋が挙げたのは、東4局1本場。鈴木大介のツモ切りリーチに対し、一発目はドラの8mを押して通ったが次巡に中スジの5pでオリ打ちをした場面である。
石橋 大介さんのツモ切りリーチには、いろいろなパターンがあるなと思いました。
6m4枚見えということでドラ8mを押した後に5pで放銃してしまうのですが、持ってきた4sに関しては2枚見えていたこと、そしてソーズが全く見えていないことから、47sや147sで一気通貫などの役ありテンパイに放銃してしまうことを恐れてしまい、5pで放銃という最悪の結果になってしまいました。
ただ、試合後に冷静になってみると、もし4sが役ありテンパイに当たるのであれば、ツモ切りリーチの直前に切っている4sをロンしているはずなんですね。
大介さんはトップ目で、局を進められるアガリを見逃すはずがありませんから。また、役なしの4s待ちリーチなら打点もたいしたことがなさそう。
役ありで4sをロンと言われるケースはほとんどないので、ここは4sを打った方が良かった場面でした。
正直、5pも4sも、実際にはロンと言われることはあまりない牌だと思います。でも、きちんと考えれば4sの方が当たりにくい牌なわけで、ここで5pを切ってしまったのは大失敗だったと思います。
僕は麻雀について、実戦経験を重ねるよりも牌譜を見て勉強してきた、いわば理屈を突き詰めてきたタイプです。そういう人間が、このような理屈で考えて避けられる放銃をしてしまうのは、絶対にやってはいけないことだと思います。
■思考のピントが合っていなかった
痛い失点を喫した石橋は、次局も鈴木大介に5800を放銃。放銃した9pは、土田浩翔のリーチに対して回っていた牌だったが、この2局はそもそもの構え方が間違っていたと語る。
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