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鳴かない麻雀を打つ理由「牌想い 笑み咲きほこれ 華ふぶき」黒沢咲連載コラム、No.3!

 近代麻雀読者の皆さん、こんにちは。日本プロ麻雀連盟の黒沢咲です。MリーグではTEAM雷電に所属しています。

 このコーナーでは、私の麻雀に対する考え方を書いていこうと思います。「私が何を感じながら麻雀を打っているのか。どういう思考をしているのか」ということをなるべくわかりやすく、時には哲学的に、つまり私らしく、ご紹介していけたらと思います。
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 今回は、「鳴かない麻雀」についてです。

 私の麻雀はよく「鳴かない麻雀」だと言われます。確かにMリーグでの数字を見ても、副露率は全シーズン平均で10%を切っていて、少なくともMリーガーの中では最も鳴かない打ち手と言っていいと思います。ファンの方からはよく、「真似してみたら酷い目にあった」と言われるので(笑)、誰にでもおすすめできる打ち方ではないのですが、私は自分の勝ちやすいスタイルとして、「門前(メンゼン)主体の麻雀」を基本にしています。

 東1局のオヤ番の配牌でこんな手でした。さあ、どんなアガリが見えるでしょうか?

八八⑤⑥223444白發發南  ドラ西

 理想は四暗刻! もう一つ暗刻ができたら、一気に役満の現実味が増してくるワクワクする配牌ですね。

 でも、巡目が進むにつれて妥協が必要なことも多いのが麻雀です。道中、河に切られた牌や他家の動きなどを見ながら、ポンしてトイトイに向かったり、七対子に決めたり、いろいろな選択肢があると思います。

 プロになって間もない頃は、私もいろいろなことを試してアガリを目指してきました。スピード重視で序盤から一生懸命、鳴いてみた時期もありました。でも周りのプロと比べて、鳴いた結果が良い方向にいかないことが、あまりにも多かったのです。鳴くと自分の欲しかった牌が下家にツモ切られたり、他家に絶好の牌が流れてアガられてしまったり。あぁ、門前なら美しい大物手に育っていたのに……と恨めしくその牌を見つめ肩を落としていました。

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