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3度目の女流雀王としての覚悟【文・逢川恵夢】

文・逢川恵夢

2019年最強戦初出場

初めて出場した最強戦は、2019年だった。

プロ歴10年になろうかという私は放送対局にも慣れはじめ、緊張しないというと嘘になるが、手が震えることはなくなっていた。
その私が、麻雀卓を見ただけで緊張したのを覚えている。
ライトはいつもより眩しく、その熱を肌に感じることができた。

――ここで今から麻雀を打つのか……。

いつもと違う空気感。私だけ場違いなのではないか、その私がミスやチョンボをしてしまったらどうしよう。
怖い。だけどそれ以上に、この場で打ってみたい。

早く打ちたい……!

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そうして初めての最強戦女流プロ代表戦はなんと優勝、Finalの出場権を得ることが出来た。

だが、そこで鈴木大介さんに敗れた。

オーラス痛恨のミス

2年目の麻雀最強戦2020。
やはり会場の空気に慣れることはなく、緊張したまま挑んだ対局。

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オーラスでのアガり勝負になったのだが、悔いの残る場面があった。

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その時の牌姿は

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は鳴こう。上家から出た2mも123で鳴いて2sの対子落としで混一色だな。

そして、ラス目の親(日向プロ)から出る「2s」

よし、これで親のリーチにオリれるようになったぞ。


……いや、待て!

一気通貫があるじゃないか……!

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解説も気付かない、きっと鳴く人なんて少数派、けれど自分にはできたはずの鳴き忘れ。
声が出なかった。
気付いた時には、次の人が手を伸ばしていた。まだ山に触れてはいない……ルール上は鳴いても問題ない……しかし、声は出なかった。

結局そのまま競っている古谷プロにアガりきられてしまい、私は予選の1戦目で敗退することとなった。

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悔しい。いつもなら、私なら、出来ていたはずなのに。

古谷プロのインタビュー中も2sを鳴いてたらどうなっていたかと後悔ばかりしていました。
鳴いていたとて、通過できていたかどうかはわからない。けど、そういう問題ではない。

悔しい……。


元々不眠症だけどさらに寝れない日が続いた。

「こんなに悔しい負け方なんて、この先一生無いかもしれないな」

さらに悔しいことが

しかしその年の年末、さらに悔しい負け方をしてしまう。

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