【無料記事】選ばれなかった女③企画に暗雲が立ち込めました。【飯盛裕美子】
竹書房での打ち合わせ翌日から早速企画内容の修正を行い、スケジュールもざっくりと入れた資料を作り直した。
2月いっぱいでプロを募集し、3月〜4月の間に撮影とデザインを並行して進め、5月にnote発表。せっかくデザイン入れるのにnoteだけだと勿体無いし、6月に写真展を行うことにした。
麻雀プロの写真展なんて、あんま見たことがないから新鮮で良いじゃん!と思った。
麻雀プロとファンの交流の場所としても機能できる。
近代麻雀新人女流プロ2024に固執しない、ということで、男子プロも応募できるような内容で考え直してみた。
企画に参加するプロに負担してもらう金額は2万円に設定した。
内訳は撮影費(レタッチ込み)1万円、デザイン費6000円、ギャラリーレンタル2000円、展示にかかる雑費2000円。
正直写真展にかかる費用は未知数で、こだわると全く足りない可能性があるが、1人の負担2万円は、応募したい!と思ってもらえるギリギリのラインだと思った。
いくらカッコ良い自己アピール特集を作るとはいえ、2万円払う価値を新人プロに見出して貰わなければならず、美術学生時代の恩師パルコキノシタさん(画家・漫画家)に連絡。
もっと魅力的な企画にするにはどうしたら良いか?とアドバイスを求めた。
曰く、特集を見てほしいお客さんは、どんな人を想定しているのか?地域密着型の訴求は必要か?どこに打ち出していきたいのかを把握する。それらコンプレックスをうまく解消できるようなデザインにするのか、知る人ぞ知るディープ感を出していくのか、コンテンツは全体統括型にするのか、一人一人のパーソナリティを引き出すようなものにするのか、そういうことを考えてみて。
もう一つ、若者が好むデザインと、シニアが好むデザインはどんどんかけ離れて行っている。
女性が好むデザイン、男性が好むデザイン、オタクが好むデザインとかも、絶対に交わらない断絶がある。
誰に訴求したいのか、そこをハッキリさせないとね。と、とてもポイントを押さえたアドバイスをくださった。
noteで発表がメインになるため、noteの購買層をターゲットにしようと思う。たしか、打ち合わせで金本さんが『noteのメイン購買層は30代』と仰っていた。つまり私の世代である。物を買う時代から、サブスクと配信への移行を体験している世代。
音楽、ファッション、デザイン、ゲーム、スポーツ等、今でも素晴らしい物はたくさんあるけれど、黎明期の昭和の熱狂からはどこか距離を感じる。新しい物は必ず過去の素晴らしい何かと比較される時代。
豊かだけど、豊かすぎて「足りない」。突出した天才が99%の努力をしてやっと何者かになれる「予感と諦め」。
田舎で育った私は、自分の世代をそのように感じている。蛇足だが、厨二病という言葉が生まれたり、なろう系が流行っているのはこの感覚を持っていることが大きく関与していると感じている。
そんな「才能」を持たない私のような凡人がスポットライトを浴びるには「自分でステージを作り、自分で電気をつけ、自分でそこに立つ」
しかない。
恩師は、まあでも結局はやってみないとわからないし、やってみて反応見ながら変えていくのもいいし、ダメだったらすぐに損切りしてってやっていくといいよ。と。最後にこんな話をしてくれた。
「僕の大好きなプリキュアが生まれた経緯って、【女の子もヒーローみたいに戦いたい】だったんだよね。女性のニーズを先に捉えていて、男性ファンはあとからついてきたんだよ」
読者のみなさんはプリキュアをご存知だろうか?日曜日の朝に放送されている大人気女児向けアニメシリーズである。不思議な力で可愛く変身するも【素手で戦う格闘アクション】であることが特徴である。
今でこそプリキュアは大人もハマる女児向けアニメとして認知されているが、そんな背景があったとは知らなかった。
仮にプリキュアを参考にするとなると「私たち麻雀プロ自身が、どうなりたいか、どんな風に見てほしいのか」に特化するということになる。ハネるかどうかは博打になるが、爆発するためには、こういった発想が必要なのかもしれない。
結論としては「プリキュアみたいに熱くなれよ」ということでフィニッシュプリキュアした。私の心は羽のように軽やかだった。
2024年2月1日。
近代麻雀の発売日でもあった。練り直した企画、スケジュールを金本さん(近代麻雀編集長)に提案した。
金本さんはすぐにチェックしてくださって、このように仰った。
「女流プロに限定した方がいいと思います。。
あと、プロからお金取るって部分が、ちょっと…。飯盛が近代麻雀と組んで、出れるのを出汁にプロからお金取る企画 に見られる可能性あり。その辺やっぱりプロに所属している黒木さんと相談した方がいいです。」
と。
練り直した内容については全面的に難色を示された。これは編集長の長年の判断だからやむを得ない。
暗雲が立ち込めた。今までサクサクしていた足取りが重くなるような気分だった。
それよりも先に後半について抑えるべきだと思った。
企画に応募してもらったプロに制作費を負担してもらうことが、悪印象を持たれる可能性があるとのことだった。
確かに、これはやり方をミスると全然儲からないばかりか炎上する危険性があるのかもしれない。(多分足が出るから自腹を覚悟している)
そもそも私が今動いていることについてはどこかからお金が出るということは一切ないので、これで炎上されては堪らない。
この時点までに私が割いたリソースについて紹介したい。企画持ち込みしたいと思う人がもしいたら、参考にしてほしい。
・プロジェクトメンバーへ企画への協力のお願い、見積もり依頼
・企画書の作成(パワポ、フォトショ等15時間程度)
・虎屋の羊羹3000円程度
・打ち合わせにかかる交通費、時間
・資料印刷費など1600円程度
持ち込みするだけの時点でこんな感じである。
私はサラリーマン経験が7年ほどあり、こういった打ち合わせの経験はたくさんしてきた。
ご理解いただきたいのは、これだけ頑張ってるんだから評価してください!ではなくて、企画が面白くなければそれは正当な評価だし、だけど「炎上」するほど他所様から苦言を呈される謂れはない。という事である。
日本のビジネスの現場では格好つけて「ぜんぜんお金も時間もかかってないよ、楽勝だよ」と振る舞う文化にあるので、ぜひこの機会にご理解いただきたい。
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これからこの続編を発信していきます。
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