「『おにぎり食べる?』無口な二人が交わしたたった一言、それが今日まで続く友情の始まりだった」二階堂亜樹・茅森早香対談スペシャル企画(1)
近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画第4弾。今回は二階堂亜樹・茅森早香の二人に登場していただいた。女性麻雀プロの存在そのものが珍しい時代にデビューし20余年。お互いを親友でありライバルとする、二人のストーリーの始まりを追う。(全3回の1回目/#2、#3へ)
[文・東川亮]
■舞姫と天才の出会い
――同じくらいの時期にプロになったお二人ですが、お互いの存在を認識したのはいつ頃ですか。
亜樹 私のプロ入りが1999年で、早香が1年後だったかも。
茅森 私のプロ入りは2000年です。
亜樹 それから何年かして「女流モンド杯」というのがあって、その第2回(2004年放送)の収録で会ったのが初めてだったと思います。
茅森 そうですね、会ったのはそのときが初めてです。でも亜樹さんは当時から有名だったから、私は会う前から知っていました。
亜樹 私は同じ出演者として対局するときに知りました。当時、自分より年下の女性麻雀プロっていなくて、そういう存在と会うのは、早香が初めてだったんですよ。
茅森 亜樹さん、当時は「同い年だ」って言ってたよね。
亜樹 学年は一つ違うけど、たまたま収録のときに誕生日が来ていなかったんだよね。
――初対面のときの、お互いの印象はいかがでしたか。
亜樹 なんかすごく無口な、静かな子なのかなと。おとなしい感じで、子どもだなって思いました。
茅森 (笑)。初めてのときはあまり覚えていないんですけど、次の年のことはすごく覚えていて。私が一人でいるときに、亜樹さんが「おにぎり食べる?」って言ってくれて、「あ、この人可愛いな」と思いました。
亜樹 スタジオの防音扉の手前に、みんなが待機するような、ちょっと広めのスペースみたいなのがあるんですよ。そこに早香が一人で座っていて。女流プロ同士って仲のいい人で集まるんですけど、早香は今出演している人たちとあまり仲がいいわけじゃないのかなと思って、一人でいるから話しかけた、かまいに行った、みたいな感じですね。
他の出演者は初音舞ちゃんとか、その世代の人たちで、みんなちょっと年上で、同じくらいの子が私と早香くらいだったので。
――そのときは、話は弾んだのですか。
亜樹 いやあ…。
茅森 弾んではいないですね。
亜樹 待機所にあったおにぎりを持っていって「食べる?」みたいな感じで声をかけましたけど、早香はなんて答えたのかな。私も今は結構しゃべりますけど、当時はそんなにしゃべるタイプではなかったので。
茅森 私も他にしゃべっていたことは覚えていないです。でも、そのおにぎりだけはすごく覚えていて「優しい、可愛い」みたいな。
当時はみんな年上すぎて、そんなにしゃべる感じではなかったんですよね。和田聡子さんが同じ団体で多少しゃべるくらいで、あとは別に。そんなにすごく仲のいい人がいたわけではないので。
亜樹 協会ができたばかりくらいで、連盟プロと協会プロが多めで、最高位戦の女流が少なめだったんですよね。
――そこからどういうふうに仲良くなっていったんですか。
亜樹 何でなんだろうね。
茅森 分からないなあ。共通の友人とかなのか、あとは撮影とかで何回も会っていて、なんとなく仲良くなっていった感じかな。
亜樹 お互いに連絡を取り合って仲良くなっていったとかじゃなくて、集まりとか、いろいろな人たちと遊んでいるところで一緒に会うことが多くなって、みたいなのが最初の感じですかね。
茅森 自然に、ですね。あと、モンドの撮影終わりで一緒に帰って麻雀を打ちにいったとかは覚えています。
亜樹 そこからもうちょっとして、一緒に旅行に行ったりするようになりましたね。
■亜樹が価値観の違う早香の麻雀から受けた衝撃
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?